[テーマ] 『応用心理学の未来 ~ 実社会との連携活動を目ざして ~』
本年9月に開催された日本応用心理学会第82回大会では,正田亘名誉会員より「応用心理学会の歴史と活動,来し方と将来への期待」と題して特別講演をいただきました。講演の中で,将来への期待の一つとして実社会との連携活動の普及が挙げられましたが,そのための研究活動は今後どのような展開が期待されるでしょうか。このシンポジウムでは,研究の最前線で活躍されている気鋭の研究者に話題を提供いただき,研究の応用という点での面白さや意義,課題を,それぞれの領域・視点から語っていただく中で,実社会との連携活動をどのように進めていくことが必要であるか,これからの応用心理学研究活動の方向性を探っていきたいと思います。 |
[日時] 2015年12月12日(土) 13時30分~16時(予定)
[場所] 東京未来大学 ◆入場・参加費無料(事前申込み不要) 最寄駅からの道順 [企画] 日本応用心理学会企画委員会 [共催] 東京未来大学モチベーション研究所 [司会] 谷口 淳一(帝塚山大学) |
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[話題提供者] | |
(1) | 犯罪心理学の視点から:Man vs. Machine論争の先へ 萩野谷 俊平(栃木県警察本部刑事部科学捜査研究所) 犯罪捜査の分野では,これまでに研究知見に基づく意思決定支援システムの開発が行われ,研究の応用について一つの道筋が示されてきた。しかしながら,近年ではそれらのシステムの有効性について,研究者の間で激しい論争が展開されている。そこで本発表では,犯罪捜査の分野で行われた最近の研究について述べた後,意思決定支援システムの有効性に関する論争の経過を解説する。さらに,それらの先に見えてくる新たな応用の展開について考察したい。 |
(2) | 装い心理学の視点から:卑近なテーマがゆえの陰と光 鈴木 装いとは,「身体の外観を変えるために用いるすべてのものやそのための行為,およびその結果としての状態」を意味し,空間的・時間的普遍性を有している。装いに関する研究は,その卑近さゆえに,必ずしも心理学の分野の中で「まっとうな研究テーマ」としてみなされてきたわけではない。しかし,その卑近さゆえに,装い研究には様々なかたちでの応用可能性があると考えられる。そこで本発表では,まず,装いの概念およびこれまでの心理学の中での装いというテーマの扱われ方について話をさせて頂き,その後,いかに装い研究に応用可能性があるかについて,いくつかの例を挙げながら話をさせて頂きたいと考えている。さらに,時間がゆるせば,今後の展望も述べさせて頂けたらと考えている。 |
(3) | 安全心理学の視点から:企業の委託研究から学んだこと,悩んでいること 余村 朋樹(公益財団法人 大原記念労働科学研究所) 発表者がこれまで労働科学研究所で行ってきた研究活動には,競争的資金による研究や,官公庁からの委託研究もあるが,多くは企業からの委託研究である。委託研究のテーマは多岐に渡るが,それらの多くに共通することは,事故・トラブルの事例分析や,質問紙,面接,作業観察などを用いて,当該組織が抱える安全を阻害する要因とそのメカニズムを明らかにするとともに,対策を立案,実行,評価することである。本シンポジウムでは,これまでの研究活動の中で学んだことや現在課題として悩んでいることを開陳してみたい。 |
[指定討論者] | |
(1) | 深澤 伸幸(東京富士大学) |
(2) | 沢宮 容子(筑波大学) |
公開シンポジウムは多くの皆さまにご参加いただき,
盛会のうちに終えることができました。
[当日の写真] | ||
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会場の風景 | ||
企画委員長 | ||
理事長 | ||
司会 | ||
話題提供者 | ||
指定討論者 |
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