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お知らせ

応用心理士を対象とする調査報告

2024年3月31日

日本応用心理学会 学会活性・研究支援委員会
応用心理士を対象とする調査小委員会
 委 員 長:田中堅一郎
 委員:稲葉隆,小林敦子

 応用心理士の資格を持つ日本応用心理学会会員を対象に調査を行った。応用心理士を対象とする調査小委員会(以下,小委員会)では,2023年11月 3日に調査結果の概要を共有するとともに,結果について討議を行った。その内容も踏まえて,以下に調査結果を報告する。
 なお,今回の「応用心理士を対象とする調査」実施にあたっては,日本応用心理学会からの支援を受けた。

1.調査目的

 応用心理士の上級資格設置を検討する上で,現状の応用心理士会員の意見を聴取する。調査結果から,上級資格(上級応用心理士)を設置することに対する様々な意見を把握する。

2.調査項目

 Google Formsおよび郵送調査ともに,付録1に示された10項目から構成された。

3.調査

(1)調査実施期間 2023年9月4日(月)から10月2日(月):①オンライン調査は,2023年9月4日(月)~9月20日(水),②郵送調査は, 2023年9月4日(月)~10月2日(月)到着分まで。
(2)調査対象者 2023年9月1日において応用心理士の資格をもつ日本応用心理学会員223名を対象とした。①オンライン調査では,メール配信した182名のうち66名から回答を得た(回収率:36.3%)。郵送調査では,②調査用紙を送付した41名のうち26名から回答を得た(回収率:63.4%)。よって,調査依頼した計223名のうち92名から回答を得た(回収率:41.3%)
(3)調査方法 メールアドレスを登録した会員にはGoogle Formsで調査主旨を説明した文面と質問項目を2023年9月4日(月)に送信した。メールアドレスが登録されていなかった会員には郵送調査で調査主旨を説明したカバーレターと調査用紙を2023年9月4日(月)に一斉送付した。なお,メールアドレスを有していたものの,Google Formsから返信ができない旨連絡があった1名を郵送調査に振り替えた。

4.調査結果(1):項目別分析

(1)調査回答者の属性 回答者の年齢(図1),性別(図2),職業(図)は以下の通りであった。図の欄外に示された「職業3区分」によれば,研究者;40名(43.5%),実務家;36名(39.1%),その他(大学院生含む);14名(15.2%)となった。

図1 回答者の年齢

図2 回答者の性別

図3 回答者の職業

(2)調査項目別回答結果
a)Q1応用心理士申請の動機:応用心理士を申請した動機として最も多いのは「①資格取得のため」で全体の5割弱(46.7%)だった。次いで,「④学会員から勧められたため」が約2割(20.7%)で,「②研究活動における目標設定」(12.0%)と「③学会認定(お墨付き)が欲しかったため」(9.8%)がそれぞれ1割程度だった(図4)。
図4 Q1「あなたが応用心理士を申請した動機は何ですか(1つだけマークしてください)。」

b)Q2応用心理士肩書の使用経験:応用心理士の肩書については,「①名刺などの肩書に応用心理士と書いたことがある」(31.5%),「②ビジネス等の場で応用心理士を名乗ったことがある」(28.3%)が共に3割程度だった。「④その他」の回答には,履歴書への記載で使用した例もみられた。使用経験のない会員は4割強だった(図5)。
図5 Q2「あなたは応用心理士の肩書きを使用したことがありますか(複数回答可)。」

c)Q3応用心理士取得によるメリット:応用心理士取得のメリットは,「⑦自分に自信がついた」(35.9%)と「⑥他者からの信頼感が増した」(26.1%)の2つが特に多かった。一方,その他の回答として「メリットはない」が15.2%を占めた(図6)。
図6 Q3「あなたが応用心理士を取得して得られたメリットは何ですか(該当するものすべて回答可)。」

d)Q4応用心理士取得の他会員への推奨:応用心理士資格の取得を推奨することに前向きな割合は,「1.ぜひ勧めたい」(19.8%)と「2.やや勧めたい」(25.3%)を合わせて,半数弱(45.1%)であった。しかし,推奨に対して消極的な意見も1割強(12.1%)あった(図7)。
図7  Q4「あなたはお知り合いの学会員に応用心理士を取得することを勧めますか(1つだけマークしてください)。」

e)Q5「応用心理士 上級資格」の申請意向:応用心理士 上級資格に対する申請意向として,前向きな意見は全体の4割強(「1.すぐに申請したい」(13.2%)と「2.申請を考えてみたい」(29.7%)の合計42.9%)だった。しかし,「3.申請しようとは思わない」も約3割(31.9%)あり,1/4の回答者は「わからない」と回答された(図8)。
図8 Q5「もし日本応用心理学会で応用心理士の上級資格が設置されたら、あなたはその資格に申請したいですか。(1つだけマークしてください)。」

f)Q6応用心理士に関する要望・意見:応用心理士に関する要望・意見がある回答者は全体の1/3程度(36.3%)だった。主な要望としては,「社会的な認知度向上に関する要望」「研修会の開催に関する要望」「実践的研究のサポートに関する要望」「研究交流に関する要望」などがあった(図9,詳細については付録2~4参照)。
図9 Q6-1「あなたが応用心理士に関して日本応用心理学会に望んでいることはありますか。(1つだけマークしてください)。」

g)Q7 「応用心理士会」への入会意向:応用心理士会が設立された場合,入会に前向きな意見は全体の約7割(「①ぜひ入会したい」(14.3%)と,「②条件があえば,入会したい」(53.8%)の合計68.1%)を占めた。入会に消極的な意見は2割弱だった(「③入会したいと思わない」(18.7%))(図10)。
図10 Q7「応用心理士で構成される「応用心理士会」が設立されたら、入会したいですか(1つだけマークしてください)。」

(3)項目別分析の要約
a)応用心理士申請の動機(Q1):年齢に比例して学会員からの勧めにより応用心理士を申請しており,若い年齢ほど研究活動の目標設定が動機となっている。また,実務家会員は研究者会員よりも学会による認定が申請理由であった。
b)応用心理士肩書の使用経験(Q2):応用心理士の肩書きは,名刺記載とビジネスでの使用で会員の3割が活用している。特に実務家会員において活用の割合が高いことが特徴である。しかし,40代以下は他年代に比べてやや活用度が低かった。
c)応用心理士取得によるメリット(Q3):最もメリットとされているのは自己への自信であり,次が他者からの信頼感の増加であった。前者は40代以下の若手会員に顕著であるが,一方でこの年代では応用心理士取得が学会への積極的な参加には結びついていなかった。  また,自己への自身・他者からの信頼感は実務家会員にとって大きなメリットとなっている。逆に,自由記述において,応用心理士取得にメリットがないという意見が全体の15%あった。
d)応用心理士取得の推奨(Q4):応用心理士取得の推奨に肯定的な割合は全体の45%で消極的な割合(12%)を大きく上回っている。しかし,40代以下の会員は他年代に比べて推奨に肯定的な意見がかなり少ない(2割以下)。研究者と実務家では差はなかった。
e)「応用心理士 上級資格」の申請意向(Q5):全体の4割が上級資格の申請に前向きである。特に40代以下の会員と実務家会員の申請に積極的な面がある(すぐに申請したいという割合が2割以上)。
f)応用心理士に関する要望・意見(Q6):自由記述で得られた主な要望は,①応用心理士の社会的な認知度向上,②研修会の開催,③実践的研究のサポート,④研究交流に関する要望にまとめられる。
g)「応用心理士会」への入会意向(Q7):応用心理士会への入会に前向きな意見は高く,全体の7割だった。

5.調査結果(2):項目間の関連性

 「もし日本応用心理学会で応用心理士の上級資格が設置されたら,あなたはその資格に申請したいですか(Q5)」を中心に,Q7,Q4,Q6-1を分析対象とする多重応答分析を行い,第1成分,第2成分が抽出された。
(1)Q5について,図11の曲線で描かれたように,カテゴリーポイントの値から見ると,上級資格の申請に否定的もしくは消極的な回答が左下に布置し,肯定的もしくは前向きな回答が右上に布置していた。この結果を基に,それ以外の項目群の回答についての結果を読み解くことができる。
図11 多重応答分析の変数主成分:その1(Q5; もし日本応用心理学会で応用心理士の上級資格が設置されたら、あなたはその資格に申請したいですか)

(2)Q7(応用心理士で構成される「応用心理士会」が設立されたら,入会したいですか)について図12に曲線で示されたように,カテゴリーポイントの値は左下から右上につれて,応用心理士会入会に前向きであることがわかる。また,この布置は図11の結果と類似している。これらの結果から,応用心理士会により積極的な回答者は上級資格の申請に肯定的もしくは前向きで,応用心理士会入会にあまり積極的でない回答者は上級資格申請に否定的もしくは消極的であることが読み取れる。
図12 多重応答分析の変数主成分:その2(Q7;応用心理士で構成される「応用心理士会」が設立されたら、入会したいですか)

(3)Q4(あなたはお知り合いの学会員に応用心理士を取得することを勧めますか)について図13に曲線で示されたように,カテゴリーポイントの値は左下から右上につれて,応用心理士取得の勧誘に積極的であることがわかる。また,この布置も図11の結果と類似している。これらの結果から,応用心理士取得の勧誘に積極的な回答者は上級資格申請に肯定的もしくは前向きで,応用心理士取得の勧誘に消極的な回答者は上級資格申請には否定的もしくは消極的であることが読み取れる。
図13 多重応答分析の変数主成分:その3(Q4;あなたはお知り合いの学会員に応用心理士を取得することを勧めますか)

(4)Q6-1(あなたが応用心理士に関して日本応用心理学会に望んでいることはありますか)について図14の結果を図11の布置と対応させると,図14の次元1のレンジが狭いものの,望むことが「ある」と回答しているほど上級資格申請に前向きで,「ない」の回答者は否定的もしくは消極的だと理解できる。
図14 多重応答分析の変数主成分:その4(Q6-1 あなたが応用心理士に関して日本応用心理学会に望んでいることはありますか)

(5)回答者の分類と特徴
a)回答者の分類
 多重応答分析により回答者に付与された2次元のオブジェクトスコアを使用してward法による階層クラスター分析を行い,それにより得られた樹形図から回答者を3つのグループに大別した。グループ分けされた各回答者のオブジェクトスコアの散布図を図15に示す。
図15のとおり,第1グループは原点の周囲から第2象限に向かって布置され,グループ2は,横軸はプラス方向,縦軸はプラスとマイナス両方に広がっていた。第3グループは,縦横の軸のいずれもマイナスとなる第3象限を中心に広がっていた。
図15 クラスター分析による回答者の分類

b)各グループの特徴
 図4の回答者グループの特徴をこれまでの結果に照らして解釈する:
グループ1:年代では60,70代,90代。申請動機では「研究活動の目標設定」が布置されており,資格取得のメリットに関しては「研究活動がしやすくなった」「自分に自信がついた」「学会に参加するようになった」が布置されていた。「今後の意向に関する項目」では,上級資格に「すぐ申請したい」,応用心理士会が設立されたら「是非入会したい」,他の学会員にも資格取得を「是非勧めたい」,「学会に望んでいることがある」といった項目が布置されていた。
グループ2:年代では80代,申請動機では「学会員からの勧め」が,資格取得のメリットの質問項目では,応用心理士の肩書は使用しない回答が布置され,今後の意向に関する項目では,上級資格は「申請しようと思わない」,応用心理士会に「入会したくない」,学会員に資格取得を「全く勧めたくない」といった項目が布置されていた。
グループ3:資格取得のメリットとして選択された「ビジネスで役に立った」「職場で仕事がしやすくなった」「実践活動しやすくなった」などの項目が布置されていた。グループ3の位置には,今後の(上級資格,応用心理士会等への)意向に関するいずれの項目群も布置されていなかった。

6.考察

(1)項目別回答から分かること

 応用心理士上級資格の設置について,調査回答者全体の4割が上級資格が設置された場合の申請に前向きであった。特に,40代以下の若手会員と実務家会員は「すぐに申請したい」という積極的な意向が2割以上あった。

(2)項目間の関連性から分かること

 多重応答分析とそれに続くクラスター分析の結果から以下のことが示唆される。
a)上級応用心理士申請に対して肯定的な意見をもつ応用心理士は,応用心理士という資格に対しても肯定的で,日本応用心理学会および学会活動に前向きにコミットしていることが示唆される。
b)上級応用心理士の設置は(現在の)応用心理士の研究・実践活動を高めるための手立てとして有効であることが示唆される。
c)クラスター分析の結果から分類された各グループの特徴から,上級資格申請や応用心理士会入会の意向の高さは,「研究活動・学会」の高さと連動しており,これらへのコミットメントの高さに関連があると考えられる。また,グループ3は「ビジネス活用」の動機が高いグループと見做されるが,上級資格の意向を高めるためには,研究活動や学会へのコミットメントを高めることも重要であると考えられる。

(3)調査結果が上級資格設置に示唆すること

a)上級応用心理士への申請に前向きな回答者は42.9%であったが,分析結果から考えて,応用心理士及び応用心理士上級資格によって学会員の実践的な活動のサポートができ,学会の社会的価値の向上につながると思われる。よって,応用心理士上級資格の設置は妥当であると考えられる。
b)応用心理士資格取得者(と学会員)の満足度向上につながる施策の検討について
調査結果から,①応用心理士の価値向上と②会員相互の交流促進などが主な会員ニーズとして考えられる。具体的には,①応用心理士の価値向上のために,応用心理士の社会的な認知度を上げるための方法の検討が必要であり,若手・実務家会員の申請意向が高かったことから,上級資格の設置も必要であると思われる。
また,②会員相互の交流推進のために,応用心理士会の開設の検討,研修会の実施や会員相互の交流につながる機会の提供に関する検討,応用心理学会分科会の設置に関する検討が考えられる。また,その他として,若手会員の学会参加意識の向上による学会活性化,実務家会員の実践的研究のサポートについての検討も望まれる。
上級応用心理士が設置された場合に申請者を増やす手立てとして考えられることは,資格取得者への研究支援や,学会へのコミットメントを高める施策を今後も継続的に展開すると同時に,ビジネス上の応用心理士資格の利用が実践的な研究活動にもつながるよう,産業の場での実践と研究の交差的支援策を生み出す必要があるだろう。

(4)調査の課題

a)回答率(返信数)の低さ:オンライン調査(Google Forms)による回収率が低かった(36.3%)。この回収率から,調査結果が実際の応用心理士の回答分布と対応しているか疑問が残った。
b)Google Formsによる調査方法の課題:今回の調査では,未回答の対象者にリマインドしなかったこのことも回答率の低さに影響したと思われる。

付録

付録1:調査項目

(1)Q1.あなたが応用心理士を申請した動機は何ですか:
 ① 資格取得のため
 ② 研究活動における目標設定として
 ③ 学会認定(お墨付き)が欲しかったため
 ④ 学会員から勧められたため
 ⑤ その他(                     )
(2)Q2.あなたは応用心理士の肩書を使用したことがありますか(該当する箇所にすべて〇印をつけてください):
 ①名刺などの肩書に応用心理士と書いたことがある
 ②ビジネス等の場で応用心理士を名乗ったことがある
 ③使用したことはない
 ④その他(                  )
(3)Q3.あなたが応用心理士を取得して得られたメリットは何ですか(該当する箇所にすべて〇印をつけてください):
 ① 積極的に学会に参加するようになった
 ② 研究活動がしやすくなった
 ③(研究成果に基づいた)実践活動がしやすくなった
 ④ 職場での仕事がしやすくなった
 ⑤ ビジネスで役に立った,得をした
 ⑥ 他者からの信頼感が増した
 ⑦ 自分に自信がついた
 ⑧ その他(              )
(4)Q4.あなたはお知り合いの学会員に応用心理士を取得することを勧めますか:
 ① ぜひ勧めたい
 ② やや勧めたい
 ③ どちらともいえない
 ④ やや勧めたくない
 ⑤ まったく勧めたくない
(5)Q5.もし日本応用心理学会で応用心理士の上級資格が設置されたら,あなたはその資格に申請したいですか:
 ①すぐに申請したい
 ②申請を考えてみたい
 ②申請しようとは思わない
 ④ わからない
(6)Q6-1 あなたが応用心理士に関して日本応用心理学会に望んでいることはありますか:
 ①ある   ② ない
 Q6-2 (「①ある」と答えた方は)望んでいることは具体的に何ですか。
(7)Q7.応用心理士で構成される「応用心理士会」が設立されたら,入会したいですか:
 ① ぜひ入会したい
 ② 条件があえば,入会したい
 ③入会したいと思わない
 ④ わからない
(8)Q8.あなたの現在の職業はどれですか:
 ① 大学・大学院教員(教授から助教まで)
 ② (大学以外の)学校教員(専門学校・高校・中学・小学校・幼稚園)
 ③ 保育士
 ④ 医療従事者(看護師,理学療法士等)
 ⑤ 学校職員
 ⑥ (教育相談施設,職業相談所等の)相談員・カウンセラー
 ⑦ (国家もくしは地方)公務員
 ⑧ 大学院生(社会人大学院生を含む)
 ⑨ 自営業者(経営コンサルタント業,税理士等)
 ⑩ 会社員・会社役員
 ⑪ その他(                      )
(9)Q9.あなたの大まかな年齢を教えてください:
 ①20歳代
 ②30歳代
 ③40歳代
 ④50歳代
 ⑤60歳代
 ⑥70歳代
 ⑦80歳代
 ⑧90歳代
(10)Q10.あなたの性別を教えてください:
 ①男性  ②女性  ③その他  ④回答しない

付録2

 Q6応用心理士に関する希望・意見(その1):Q6-2、Q6-1で「①ある」と答えた方に伺います。望んでいることは具体的になんですか。

付録3

 Q6応用心理士に関する希望・意見(その2):Q6-2、Q6-1で「①ある」と答えた方に伺います。望んでいることは具体的になんですか。

付録4

 Q6応用心理士に関する希望・意見(その3):Q6-2、Q6-1で「①ある」と答えた方に伺います。望んでいることは具体的になんですか。

[お知らせ]公開シンポジウム2021

[テーマ] 「カスタマーハラスメント - 心理学的アプローチの可能性を探る -」

 今,日本において,カスタマーハラスメントが大きな社会問題となっている。消費者が,店員や担当窓口に対し過度な苦情や要求を行う「悪質なクレーム」が多発しており,その行為がハラスメントとなって精神的ケアを必要とする事案が生じているのである。
 これまで悪質なクレームに対しては,担当者の経験に基づく応対や法的措置にて対応を行ってきた。しかしながら,クレームタイプの多様化,悪質性判別の困難さ,手段の潜在化などにより,従来の方法では対処しきれない状況となり,新たな対応の構築が迫られている。
 そこで今回,最前線でこの問題に取り組んでいる方々をお招きし,現在のカスタマーハラスメントの実際を明らかにし,これからの対応について,心理学による研究アプローチの可能性を探り研究成果の社会への応用,実装を検討してみたい。
[日時]2021年12月11日(土)
13時30分~16時00分


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[場所]東洋大学 白山キャンパス 1号館 1102教室
〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20
入場・参加費無料
入場は,東洋大学8号館正門より,
体温チェックを受けご入場ください。
[企画]日本応用心理学会 企画委員会
[共催]一般社団法人 ココロバランス研究所
[司 会]
  小嶋 理江 氏(名古屋大学)
[話題提供]
  桐生 正幸 氏(東洋大学)
  島田 恭子 氏(東洋大学・(社)ココロバランス研究所)
  安藤 賢太 氏(UAゼンセン)
  近藤 修 氏(日本対応進化研究会)
  阿部 光弘 氏(三井住友海上火災保険株式会社)
  宮中 大介 氏(慶応義塾大学・(株)ベター・オプションズ)
[指定討論]
  上市 秀雄 氏(筑波大学)

アクセス

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東洋大学 白山キャンパス

[お知らせ]公開シンポジウム2019

[テーマ] 「妖怪と心理学:私たちが得たもの失ったもの」

 「妖怪」は古来,類まれなる多様性と社会や人間に対する機能を持ち,我々日本人の社会や文化に溶け込んできた。しかしながら,現代の「妖怪」は娯楽という社会的機能のみを持つキャラクターと化してしまった。このような「妖怪」の社会的機能や位置付けの変化は,日本人の心理的側面にも変容をもたらしたと考えられる。本シンポジウムでは,現代社会で喪失し,また,新たに獲得した「妖怪」について,心との関連を通し,深く考察してみたい。
[日時]2019年11月30日(土)
13時30分~16時00分(予定)


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[場所]東洋大学 白山キャンパス
8B11教室  会場が変更になりました。
〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20
入場・参加費無料(事前申込み不要)
[企画]日本応用心理学会 企画委員会
桐生 正幸 氏
(東洋大学,(社)社会行動研究会)
[共催](社)社会行動研究会
[司 会]
  桐生 正幸 氏(東洋大学,(社)社会行動研究会)
[挨 拶]
  竹村 牧男 氏(東洋大学 学長)
[話題提供]
(1) 軽部 幸浩 氏(日本体育大学)
(2) 高橋 綾子 氏(東洋大学)
(3) 飯倉 義之 氏(國學院大學)
[指定討論]
  吉川 肇子 氏(慶應義塾大学)

アクセス

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東洋大学 白山キャンパス

8B11教室

※8B11教室のとなりは学食です。

[お知らせ]公開シンポジウム2018

[テーマ] 「自動運転が社会的に受け入れられるために」

 自動車の運転支援・自動運転の技術開発が急速に進みつつある。世界中で自動運転に関する様々な試みが行われ,人間が自ら自動車を運転することがない未来がすぐ近くまで来ているように感じられる。しかし自動運転にはまだ多くの解決すべき問題が残されており,その中の一つが自動運転に対する社会的受容である。新しい技術は,それを利用する人間が技術を理解・信頼し,「使ってもよい」「使いたい」と思って初めて受け入れられるが,これらはまさに使う側の心理の問題である。本シンポジウムでは自動運転を社会が受容するために,技術開発側とユーザ側の双方に何が必要となるのかを考えたい。
[日時] 2018年12月15日(土)
       13時30分~16時00分(予定)

[場所] 立正大学 品川キャンパス
     11号館5階 1151教室
     〒141-8602 東京都品川区大崎4-2-16
     ◆入場・参加費無料(事前申込み不要)

[企画] 日本応用心理学会 企画委員会
     篠原 一光 氏大阪大学大学院人間科学研究科

[共催] 日本認知心理学会 安全心理学研究部会


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[話題提供者]
(1) 赤松 幹之 氏産業技術総合研究所自動車ヒューマンファクター研究センター
 ヒューマンファクターから見た自動運転技術の現状
(2) 小木津 武樹 氏群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センター
 自動運転の社会実験から見えてくるもの
(3) 三輪 和久 氏名古屋大学情報文化学部
 自動システムに対する信頼と過信
(4) 八木 絵香 氏大阪大学COデザインセンター
 技術の社会的受容
[指定討論者]
  芳賀 繁 氏社会安全研究所

アクセス

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立正大学 品川キャンパス 交通アクセス

[お知らせ]第85回大会

第85回大会ホームページ
画像をクリックすると大会ホームページを表示

[会期] 2018年8月25日(土)~26日(日)

[会場] 大阪大学 人間科学研究科/人間科学部
吹田キャンパス
〒565-0871
大阪府吹田市山田丘1番2号

[大会委員長]   臼井 伸之介
[大会副委員長]  篠原 一光
[大会事務局長]  中井 宏
[大会事務局幹事] 森泉 慎吾

キャンパスマップ

アクセス方法
キャンパスマップ
  • バス
  • 阪急バス
    北大阪急行千里中央駅より 約15分
    「阪大本部前」(164系統,171系統)行き
    「茨木美穂ヶ丘」(103系統,105系統)行き
    近鉄バス
    ・阪急電鉄京都線茨木市駅より
    「阪大本部前」(24系統)行き 約30分
    ・JR東海道本線茨木駅より
    「阪大本部前」(24系統)行き 約20分
    ※いずれも,阪大医学部前バス停下車 徒歩約5分

路線図

[お知らせ]公開シンポジウム2017

[テーマ] 「暴力的な絆はなぜ生じるのか;DVの予防に向けて」

 家族をはじめとする「絆」は愛着の源として人を幸せにする,はずです。しかしそれが人を縛りつけ暴力源になってしまうこともあります。どうしてでしょうか?この問いに答えるには,人間関係に関して豊富な知見をもつ社会心理学が役立ちます。愛し合う二人の間でなぜ暴力が生じ,エスカレートするのか?DVを未然に防ぐにはどうすればよいか?このシンポジウムでは,対人心理の視点からDVのエスカレート・プロセスを理解し,どのような予防が可能かについて考えます。
 3人の話題提供者の発言を受けて,ともに気鋭の社会心理学者であり,規範遵守や逸脱に詳しい村上史朗先生,反社会的行動や社会的逸脱に詳しい吉澤 寛之先生に指定討論をして頂き,議論を深めます。
[日時] 2017年11月18日(土)
       14時00分~16時30分

[場所] 帝塚山大学 学園前キャンパス16号館
     奈良県奈良市学園南3-1-3

     ◆入場・参加費無料(事前申込み不要)

[企画] 日本応用心理学会 企画委員会
     企画協力
     相馬 敏彦 氏(広島大学大学院社会科学研究科)

[司会] 谷口 淳一(帝塚山大学)
     相馬 敏彦 氏

公開シンポジウム2017のポスター
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[話題提供者]
(1) 相馬 敏彦 氏
 概要:親密な関係で暴力がエスカレートしやすいのはなぜか,二人の問題は二人でしか解決できないのかといった問題について,その解決の糸口を提供する知見を紹介する。その上で,DVの予防や解決に果たす社会心理学の可能性を提示する。
(2) 伊藤 言 氏(東京大学大学院人文社会系研究科)
 概要:「関係の永続を願う気持ち」や「運命の出会いを信じる気持ち」といった抽象的な考えや信念が,相互作用のインパクト評価に及ぼす影響について,経験サンプリング法を用いて検証した結果を報告する。
(3) 山中 多民子 氏(武蔵野大学大学院人間社会研究科)
 概要:「起きる前に防ぐ」という一次予防の視点から行われたDV予防プログラムの内容とその効果について報告する。現場のさまざまな制約の下で,DVに関する心理学の知見をどのように予防へと実装させることができるのかを考える。
[指定討論者]
(1) 村上 史朗 氏(奈良大学社会学部)
(2) 吉澤 寛之 氏(岐阜大学大学院教育学研究科)

◆アクセス

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◆所要時間

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◆奈良・東生駒キャンパス最寄り駅周辺

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[お知らせ]第84回大会

第84回大会ホームページ
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[会期] 2017年8月26日(土)~27日(日)

[会場] 立正大学 心理学部
品川キャンパス
〒141-8602
東京都品川区大崎4-2-16

[大会委員長]  古屋 健
[大会副委員長] 川名 好裕
[大会事務局長] 八木 善彦

キャンパスマップ
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アクセス方法
  • 大崎駅,五反田駅から徒歩5分
  • 大崎広小路駅から徒歩1分
  • 不動前駅から徒歩13分

[お知らせ]公開シンポジウム2016

[テーマ] 『調査法のいま ~ 理論と技法,実践,そして展望 ~』

 社会科学における研究手法として,調査は欠かすことのできないものであり,質問紙法を筆頭に,観察やインタビューなど,さまざまな手法を駆使してさまざまな場面でデータが収集され,分析がなされて,科学の発展に寄与しています。心理学系や社会学系の大学・大学院でもカリキュラムの中には必ず調査法に関する教育が含まれています。
 それだけ私たちにとって身近なものとして意識されている「調査」ですが,ではその理論や技法について,私たちはどれほど正確な知識を持ち合わせているでしょうか。また,最近はインターネット上でのいわゆるWeb調査なども頻繁に行われるようになっていますが,私たちはそうした新しい調査技法についてどれほど正確な知識を持ち合わせているでしょうか。そして,調査の技法や実践の発展に,心理学はどのように貢献していくことができるのでしょうか。
 今回の公開シンポジウムでは,調査の方法論や技法についての「いま」を俯瞰し,今後の展望について探っていきたいと考えています。話題提供をお願いした3名の研究者は,調査についての理論や技法について研究されている方,あるいはフィールドでの実践経験豊かな方であり,いずれも今回のテーマに適した話題を提供いただける方々です。
 企画委員会としては,この公開シンポジウムをきっかけに,応用心理学の世界でも調査法に関する議論が大いに盛り上がることを期待しています。
[日時] 2016年11月19日(土)
       13時30分~16時(予定)

[場所] 東京未来大学
     東京都足立区千住曙町34-12

     ◆入場・参加費無料(事前申込み不要)

     最寄駅からの道順
     東京未来大学をGoogle マップで確認する

[企画] 日本応用心理学会企画委員会
     角山 剛 氏(東京未来大学)

[共催] 東京未来大学モチベーション研究所

[司会] 谷口 淳一 氏(帝塚山大学)

公開シンポジウム2016のポスター
※画像はクリックで拡大表示されます
[話題提供者]
(1) 予備調査・プリテストの革新  学際的研究をめざして
木村 邦博 氏(東北大学文学研究科)

 1980年代半ばから,認知科学等の知見や方法にもとづいて調査法を改善しようという学際的アプローチが発展してきた。特に予備調査・プリテストに関しては,従来の方法はいきなり「本番同様の舞台稽古」をするようなものだったという反省から,代替的あるいは補完的な方法が推奨されるようになった。それには,認知面接法,行動コーディング,パラデータ分析,無作為配分実験,統計的モデリングにもとづくデータ解析,などがある。この報告では,統計的モデリングにもとづく既存データの解析の一例として,複数回答形式質問における黙従傾向の問題を潜在クラス分析によって検討した研究を紹介し,無作為配分実験研究などへの展開について考察する。
(2) Web調査の可能性と課題  調査票設計とパネル管理
山田 一成 氏(東洋大学社会学部)

 わずかな研究費で成人男女1,000人の調査が可能。たった2日で10,000人規模の大調査が完了。そんな実証研究を現実のものとする公募型Web調査は,今,日本で最も頻繁に使われ,大きな期待を集める調査法である。しかし,そうしたWeb調査は本当に正しく使われているだろうか。回答形式を変えただけで大幅に低下する回答率。予想もしなかった因子パターンの析出。そんな結果に直面し,「どこで間違った?」と思った研究者も少なくないのではないか。本報告では,そんな現状を少しでも改善すべく,Web調査の方法論的基礎研究のなかから,日本における試行と研究成果を紹介する。
(3) 「ワークショップ型」調査の可能性  地域課題の解決に向けて
石阪 督規 氏(埼玉大学基盤教育研究センター)

 これまでのローカルコミュニティ調査には,「対象者の本音がなかなかつかめない」「言語化しにくい情報を把握できない」などの課題があるといわれてきた。こうしたなか,対象者自らが,考え,語り,対話することで,アンケートやインタビューでは得られないリアリティのある意見をデータとして取得する「ワークショップ」を取り入れた調査手法が,近年注目されている。「ワークショップ」を用いたコミュニティ調査の事例をふまえ,それらの今日的意義と課題について報告する。
[指定討論者]
(1) 田崎 勝也 氏(青山学院大学国際政治経済学部)
(2) 浮谷 秀一 氏(東京富士大学経営学部)


◆アクセス

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[お知らせ]公開シンポジウム2015

[テーマ] 『応用心理学の未来 ~ 実社会との連携活動を目ざして ~』

 本年9月に開催された日本応用心理学会第82回大会では,正田亘名誉会員より「応用心理学会の歴史と活動,来し方と将来への期待」と題して特別講演をいただきました。講演の中で,将来への期待の一つとして実社会との連携活動の普及が挙げられましたが,そのための研究活動は今後どのような展開が期待されるでしょうか。このシンポジウムでは,研究の最前線で活躍されている気鋭の研究者に話題を提供いただき,研究の応用という点での面白さや意義,課題を,それぞれの領域・視点から語っていただく中で,実社会との連携活動をどのように進めていくことが必要であるか,これからの応用心理学研究活動の方向性を探っていきたいと思います。
[日時] 2015年12月12日(土) 13時30分~16時(予定)

[場所] 東京未来大学
     東京都足立区千住曙町34-12

     ◆入場・参加費無料(事前申込み不要)

     最寄駅からの道順
     東京未来大学をGoogle マップで確認する

[企画] 日本応用心理学会企画委員会
     角山 剛 氏(東京未来大学)

[共催] 東京未来大学モチベーション研究所

[司会] 谷口 淳一 氏(帝塚山大学)

公開シンポジウム2015のポスター
※画像はクリックで拡大表示されます
[話題提供者]
(1) 犯罪心理学の視点から:Man vs. Machine論争の先へ
萩野谷 俊平 氏(栃木県警察本部刑事部科学捜査研究所)

犯罪捜査の分野では,これまでに研究知見に基づく意思決定支援システムの開発が行われ,研究の応用について一つの道筋が示されてきた。しかしながら,近年ではそれらのシステムの有効性について,研究者の間で激しい論争が展開されている。そこで本発表では,犯罪捜査の分野で行われた最近の研究について述べた後,意思決定支援システムの有効性に関する論争の経過を解説する。さらに,それらの先に見えてくる新たな応用の展開について考察したい。
(2) 装い心理学の視点から:卑近なテーマがゆえの陰と光
鈴木 公啓ともひろ(東京未来大学)

装いとは,「身体の外観を変えるために用いるすべてのものやそのための行為,およびその結果としての状態」を意味し,空間的・時間的普遍性を有している。装いに関する研究は,その卑近さゆえに,必ずしも心理学の分野の中で「まっとうな研究テーマ」としてみなされてきたわけではない。しかし,その卑近さゆえに,装い研究には様々なかたちでの応用可能性があると考えられる。そこで本発表では,まず,装いの概念およびこれまでの心理学の中での装いというテーマの扱われ方について話をさせて頂き,その後,いかに装い研究に応用可能性があるかについて,いくつかの例を挙げながら話をさせて頂きたいと考えている。さらに,時間がゆるせば,今後の展望も述べさせて頂けたらと考えている。
(3) 安全心理学の視点から:企業の委託研究から学んだこと,悩んでいること
余村 朋樹 氏(公益財団法人 大原記念労働科学研究所)

発表者がこれまで労働科学研究所で行ってきた研究活動には,競争的資金による研究や,官公庁からの委託研究もあるが,多くは企業からの委託研究である。委託研究のテーマは多岐に渡るが,それらの多くに共通することは,事故・トラブルの事例分析や,質問紙,面接,作業観察などを用いて,当該組織が抱える安全を阻害する要因とそのメカニズムを明らかにするとともに,対策を立案,実行,評価することである。本シンポジウムでは,これまでの研究活動の中で学んだことや現在課題として悩んでいることを開陳してみたい。
[指定討論者]
(1) 深澤 伸幸 氏(東京富士大学)
(2) 沢宮 容子 氏(筑波大学)


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[お知らせ]第83回大会


[会期] 2016年9月1日(木)~2日(金)

[会場] 札幌市立大学 看護学部
桑園(そうえん)キャンパス
〒060-0011
北海道札幌市中央区北11条西13丁目

[大会委員長]  山本 勝則
[大会副委員長] 守村 洋
[大会事務局長] 藤井 瑞恵

地図
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JR札幌駅から交通機関をご利用の方
  • JR札幌駅からJR函館本線・小樽方面行き,
  • またはJR学園都市線に乗車(約3分)JR桑園駅下車
  • 徒歩3分