日本応用心理学会ニュースレター No.8
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目 次
この4月より,新しい体制,新しい事務局で …………………… 荻野 七重
事務局移転と事務局長交代
2003年4月1日からの役員
2003年4月1日からの「事務局」の体制
研究室紹介(5) 駒澤大学 ……………………………………… 小野 浩一
心理技術者の養成 …………………………………………………… 芳賀 繁
応用心理士事務局より ……………………………………………… 岡村 一成
お知らせ
この4月より,新いし体制,新しい事務局で
事務局長 荻野 七重
会則改正により役員体制が新しくなります
2002年9月に,東京富士大学で行われた第69回大会のときに開かれた総会で,重要な会則変更が承認されました。変更は,役員に関するものです。
これまで本学会では,次の大会の準備委員長が理事長(会長)になり,さらにその次の大会準備委員長が副理事長(副会長)になって来ました。しかしながら,心理学の関連学会が一つに集まり,対外的な活動をしたり,心理学ワールド全体の整合性を図るなどの動きが求められるようになり,大会を代表する理事長や副理事長が1年で交代していく従来のあり方ではこうした事態に対応することが困難になってきました。
変更後の新しい会則では,理事長は常任理事の互選としてその任期を3年とし,副理事長を大会準備委員長とすることになりました。この新しい体制は2003年4月に発足することも承認されました。
旧会則に従うと,次の新理事承認は2003年9月の大会ということになりますが,この会則変更による新役員体制を2003年4月に発足することを可能にするために理事の承認を1年繰り上げ,2002年9月の大会時に行いました。さらに,この理事による常任理事選挙と,常任理事による理事長選挙を2002年12月までに実施しました。
その結果を踏まえた役員体制(2003年4月1日時点)は下記に示した通りです。なお,新会則の全文は,機関誌「応用心理学研究 28巻2号」の事務局便りの中に掲載されています。
事務局移転と事務局長交代
6年間にわたり,本学会の事務局は白梅学園短期大学心理学科内におかれていました。
この間,会員や認定「応用心理士」の数も増え,種々の委員会も発足しました。白梅短大に事務局が移転したちょうどその年に,初めての学会賞・奨励賞が授与されました。
この4月からは,事務局は設置場所を株式会社国際文献印刷社に移します。事務局長は長い間常任理事としてご活躍くださった,東京富士大学の浮谷秀一氏に交代します。またこれまでは,事務局は全体としての事務局の他に,下部機関として認定「応用心理士」事務局があっただけですが,4月からは,加えて,「機関誌編集」事務局を設置することになりました。これらの事務局は下に示す通りです。
(白梅学園短期大学教授)
2003年4月1日からの役員
理事長 岡村 一成(東京富士大学) | |||||
副理事長 森下 高治(流通科学大学) | |||||
理事 | |||||
安達 喜美子 | 秋葉 英則 | 馬場 房子○ | 大坊 郁夫○ | 藤田 主一○ | 福井 嗣安 |
林 潔○ | 細江 達郎○ | 稲毛 教子○ | 井上 枝一郎 | 嘉部 和夫 | 垣本 由紀子○ |
鎌形 みや子 | 神田 信彦 | 神田 久男 | 神作 博○ | 川邉 譲 | 川本 利恵子 |
桐生 正幸 | 久米 稔 | 久東 光代 | 松田 浩平 | 松下 由美子 | 松浦 常夫○ |
松山 佽子 | 南 隆男○ | 三戸 秀樹 | 向井 希宏 | 長塚 康弘○ | 内藤 哲雄○ |
荻野 七重○ | 大橋 信夫○ | 大山 俊男 | 尾入 正哲 | 小野 浩一 | 蓮花 一己○ |
坂野 登○ | 佐藤 啓子 | 鈴木 康平 | 鈴木 由紀生○ | 玉井 寛 | 田中 真介 |
田之内 厚三○ | 谷口 泰冨 | 手塚 太郎 | 所 正文○ | 外島 裕○ | 土屋 明夫 |
上野 矗 | 浮谷 秀一○ | 渡辺 昭一 | 八木 孝彦 | 山本 寛 | 山本 恵一 |
吉田 悟 | (○:常任理事) | ||||
監事 藤森 立男 高石 光一 | |||||
事務局長 浮谷 秀一(東京富士大学) |
2003年4月1日からの「事務局」の体制
●日本応用心理学会事務局
〒169‐0075 東京都新宿区高田馬場3-8-8
(株)国際文献印刷社内
電話 03‐5389‐6491 FAX 03-3368-2822
E-mail:jaap-post(at)bunken.co.jp
※[(at)をアットマークに換えてご連絡ください]
U R L:http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaap/
○日本応用心理学会「機関誌編集」事務局
〒187‐8570 東京都小平市小川町1-830
白梅学園短期大学心理学科(荻野研究室内)
電話 042-346-5622 FAX 042‐349‐7373
E-mail:ogino(at)shiraume.ac.jp
※[(at)をアットマークに換えてご連絡ください]
○日本応用心理学会認定「応用心理士」事務局
〒169‐0075 東京都新宿区高田馬場3-8-1
東京富士大学 応用心理学研究室内
電話 03‐5330‐0088 FAX 03‐5386‐2451
今後のご連絡やお問い合わせは,入退会や会費については学会事務局に,投稿論文や機閥誌発行に関することは「機関誌編集」事務局に,認定「応用心理士」に関することは「応用心理士」事務局にお願いいたします。問い合わせ先が不明の場合は,学会事務局に聞い合わせ,相談してください。
事務局の移転のため,今年度は2003年度の会費請求をまだ行っていません。4月に入ると,新事務局より請求書が送られます。ご迷惑をおかけするかもしれませんが,ご容赦ください。
最後に,会員の皆様のこれまでのご支援に感謝の意を表させていただきます。
研究室紹介(5)
駒澤大学心理学研究室
小野 浩一
駒澤大学心理学研究室は1968年(昭和43年)に開設された。教育体制としては同年から大学院修士課程,翌1969年に文学部社会学科の中に心理学コース,そして1970年に大学院博士課程がスタートしている。開設当初の心理学研究室は秋重義治教授の強力なリーダーシップのもとで「禅の心理学的研究」が盛んに行われ,「調身調息調心の心理学的研究」あるいは「禅心理学的研究」の副題をつけた数多くの研究が発表された。
その後,秋重先生が他界され,禅の心理学的研究の方も一定の成果が得られた頃から研究室の研究領域も多様になってきた。現在では,2つの建物に実験室17室を有し,専任教員8名,助手1名の体制で認知,行動,生理,人格,発達,臨床,禅等の研究が展開されている。
長らく社会学科の中の1コースであった心理学コースは,1998年4月から心理学科として独立(定員80名)した。また,大学院の方も2001年4月から修士課程を心理学コース(定員5名,基礎系)と臨床心理学コース(定員5名)の2コース制として,臨床心理学コースは2003年度から(財)日本臨床心理士資格認定協会の指定大学院として新たな歩みを始める。
本研究室は,過去に2度大会(第34回,1970年,会長秋重義治,第64回,1997年,会長中村昭之)を開催し,また,1988年から5年間事務局を担当するなど日本応用心理学会との関わりも深い。
(駒澤大学文学部教授)
心理技術者の養成
芳賀 繁
私のゼミには毎年3年生が10人くらい入ってきて,4年で卒業するとき,そのうち一人か二人が大学院に進学する。残りの80~90%は金融,流通,製造,旅行,ITなど様々な業界に就職する。はたして彼らは大学で心理学を学んでよかったと思ってくれているだろうか,それとも「もっと社会で役に立つ勉強をしておけばよかった」と後悔しているのだろうか。
大学が学間を究める場所だった時代なら(一握りの幸せな大学は今でもそうかも知れないが),大学教師は自分の先生から学んだことに,若干の新しい知識と自らのささやかな研究成果を付け加えて学生に伝えればよかった。大学が教養を身につける場であった時代なら,教師は学生の知的好奇心を満たすべく博識を披露し,難しいことを分かりやすく教えれば喜ばれた。しかし,今はどちらでもないことは明らかである。文学部の受験生は長期低落傾向で,資格が取れて専門職に直結する臨床心理学のみが大人気なのである。
就職する学生達は,大学で身につけた専門性を仕事に活かしたいと望んでいる。では,心理学専攻の卒業生が企業の中で専門性を活かすには何を身につければよいのだろう。それは,人間の心(行動,態度,嗜好,感覚,etc)を定量的に測定し,測定されたデータから何かを読みとる技術だと私は考える。「技術としての心理学」を身につけた「心理技術者」の養成が,科学者にも臨床家にもならない学生を教育する心理学科が進むべき道ではないだろうか。
(立教大学文学部心理学科教授)
応用心理士事務局より
岡村 一成
【1】02年度の「応用心理士」資格認定者は下記の通りです。
宮島 直子(No. 180) | 上原 シゲ子(No. 181) | 荒木 美知子(No. 182) | |
羽田 千恵子(No. 183) | 小林 勝年(No. 184) | 森下 高治(No. 185) | |
中村 忠生(No. 186) | 杉本 裕司(No. 187) | 横田 克哉(No. 188) | |
堀田 美憲(No. 189) | 杉野 之映(No. 190) | 若松 直樹(No. 191) | |
横山 敬子(No. 192) | |||
以上。( )内の数字は認定番号。 |
【2】認定「応用心理士」の資格要件が改正されましたので,新版の『資格申請の手引き」を作成いたします。新版は4月下旬に出来上る予定です。資格取得を希望されている会員の方は,新版が出来るまで少々お待ちください。新版の『資格申請の手引き』は出来上がり次第,全会員に送付いたします。
(東京富士大学教授)
お知らせ
日本応用心理学会第71回大会の開催(予定)
2004年度に開催される第71回大会の開催校と準備委員長は次の通りです。
日程については決まり次第お知らせします。
開催校:日本大学商学部(東京都世田谷区砧5‐2‐1)
大会準備委員長 嘉部和夫商学部教授
「応用心理学研究」へ積極的な投稿を
<機関誌編集委員会より>
お気づきの通り,「応用心理学研究」は1年に2号ずつ発行されています。やむを得ない事情で一時は投稿から論文掲載までの進行が遅く,ご迷惑をおかけしたことがありましたが,現在は順調に運んでいます。積極的な投稿をお願いいたします。
〔発行〕 日本応用心理学会広報委員会
林 潔・神作 博・大坊 郁夫・浮谷 秀一