[会期] | 2012年9月22日(土)~23日(日) |
[会場] | 北星学園大学 〒004-8631 北海道札幌市厚別区大谷地西2-3-1 |
[大会委員長] | 濱 保久 |
[事務局長] | 豊村 和真 |
JAAP The Japan Association of Applied Psychology |
理事長 藤田 主一(ふじた しゅいち)
日本体育大学
日本応用心理学会会員の皆様には,各方面でご活躍のこととお慶び申し上げます。日ごろより本学会活動にご協力を賜り深く感謝申し上げます。このたび皆様からのご推挙により理事長に選出されましたことは身に余る光栄に存じ,また身の引き締まる思いでございます。皆様のお力添えを賜りまして長い歴史と伝統を誇る本学会を引き継ぎ,さらなる発展を目指していきたいと思います。役員の皆様,会員の皆様には一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて,日本応用心理学会はわが国の心理学界のなかでは日本心理学会とともに長い歴史を刻んでいる学会です。記録によりますと,昭和初期に関西と東京で応用心理学関連の研究会が会を重ね,関西では1927(昭和2)年4月に京都帝国大学において第1回の応用心理学会が開催され,東京では1931(昭和6)年6月に東京帝国大学で第1回の応用心理学会が開催されています。1934(昭和9)年4月に京都帝国大学で第1回の合同大会,1936(昭和11)年4月に広島文理科大学で第2回連合大会が開催され,第2回大会のときにはじめて「日本応用心理学会」という名称になりました。「応用心理学会」という学会名に「日本」が冠された最初ということになります。戦時による中断を経て,終戦後の復興第1回大会が日本大学で開催されたのは1946(昭和21)年3月のことでした。本学会は何と立ち上がりが早かったことでしょう。大会は1957(昭和32)年までは年に2回開かれ,1958(昭和33)年5月の大阪大学での第25回大会から年に1回の開催になり今日に至っています。本年度2012(平成24)年9月の第79回大会は北星学園大学(濱保久大会委員長),来年度2013(平成25)年9月の第80回大会は日本体育大学で開かれます。このように,これまでの歴史を概観していますとじつに感慨深いものがあります。
本学会は設立以来,学会の会長職を年次大会の当番機関代表者(大会委員長)が務めて参りましたが,会則の改正に伴い2003(平成15)年4月より理事長(旧会長)は常任理事の互選によって選出されることになりました。その第1代(1期,2期)理事長には岡村一成先生が就任されました。岡村理事長は新生本学会の基盤を築くために多大な貢献をされました。本学会の広報活動はもとより,機関誌『応用心理学研究』の拡充,若手会員に魅力ある組織づくり,倫理綱領の作成など,その足跡は本学会の発展に大きく寄与されました。何よりも本学会認定「応用心理士」制度を充実された功績は,本学会の活性化と対外的な地位の向上に限りなく役立つものでした。第2代(3期)理事長には森下高治先生が就任されました。森下理事長は岡村先生が取り組まれた組織力を継承しさらにその育成に力を注がれ,また種々の改革に着手されました。理事長諮問機関「応心の更なる発展を考える会」を母体に,会報誌『応用心理学のクロスロード』の刊行,ホームページ・メールニュースの新設,優秀大会発表賞の新設,東日本大震災復興支援活動など,その指導力はこれからの本学会のあり方を見通されてのものでした。両理事長のお力があればこそ,今日の本学会が確固とした存在感を示すことができたのではないかと思います。
本学会は「応用心理学」をキーワードに学問としての理論的研究ならびに社会的実践活動を両輪とする領域から組織され,本学会会員の皆様はそれぞれに社会の中枢で活躍しています。誠に頼もしい限りです。また本学会は,アカデミックな雰囲気に加えて会員相互の親和を大切にするという伝統があります。この伝統は他学会にはあまり見られない貴重なものですから,今後とも絶やすことなく継承していきたいと思います。一方でよく「基礎と応用」という言い方をしますが,心理学における基礎と応用は決して並列関係ではなく,また基礎を修得してから応用へ進むという二層構造でもなく,両者は互いに輻輳的な関係に位置づけられるものであろうと考えます。その意味で本学会は心理学の応用領域を網羅しておりますので,年次大会での研究発表やシンポジウム・ワークショップ,また本学会主催の公開シンポジウムなどに参加していただければ,基礎心理学と応用心理学とが互いに関係し合った最先端の研究・実践内容に触れることができます。これは他学会では果たし得ない本学会ならではの魅力であろうと思います。
ところで,これからの本学会には長い歴史と伝統を継承しながら,さらに学会の活性化を目標に種々の改革に取り組んでいくことが求められます。この場を借りてそのなかから数点を取り上げます。第一の点ですが,このところ機関誌『応用心理学研究』への投稿論文数が激増しています。会員の皆様はご自身の研究成果や実践活動の成果を発表する場として機関誌へ投稿すると思われますので,いま以上にスピーディな編集体制を確立していかなければなりません。審査システムを含め,会員の皆様のニーズに応えられる学会機関誌を目指していきたいと考えます。第二に「応用心理士」の専門性を一層高める取り組みです。現在,この資格を取得している会員は300名を超えています。「応用心理士」は,応用心理学の各領域に具体性をもつ資格として認知されなければなりません。そのため,より専門性に特化できる資格としてのあり方を検討していきます。研修会の充実などもその一端であろうと考えられます。第三は若手研究者の支援です。ここ数年,大学院生をはじめとする若手研究者の入会が大変増えています。若手研究者の入会は学会の活性化にもつながります。現在はそのひとつとして財政的な補助を行なっていますが,今後は財政的な面と並行して研究支援のあり方などを検討していくことが必要です。これらの諸点は,新体制においてすでに各委員会委員長を中心に活動を開始しています。またこれ以外にも広報活動,新規企画,国際交流などを含めいろいろな改革案,活性化案を具現化できるように進めているところです。加えて現在,来年度の年次大会80回を記念して日本応用心理学会編『現代社会と応用心理学』(全7巻)を刊行できるように編集作業を進めています。学会の英知を結集したシリーズになるものと思いますのでご期待ください。
以上,誠に僭越ではございますが理事長に就任いたしましたご挨拶に代えまして,過去・現在・未来を結ぶ本学会のあゆみと所信を申し述べさせていただきました。すべて会員の皆様にご支援を賜わらなければ一歩たりとも進むことができません。何とぞご協力くださいますよう幾重にもお願い申し上げます。
理事長 藤田 主一(ふじた しゅいち)
日本体育大学
日本応用心理学会会員の皆様には,各方面でご活躍のこととお慶び申し上げます。日ごろより本学会活動にご協力を賜り深く感謝申し上げます。このたび皆様からのご推挙により理事長に選出されましたことは身に余る光栄に存じ,また身の引き締まる思いでございます。皆様のお力添えを賜りまして長い歴史と伝統を誇る本学会を引き継ぎ,さらなる発展を目指していきたいと思います。役員の皆様,会員の皆様には一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて,日本応用心理学会はわが国の心理学界のなかでは日本心理学会とともに長い歴史を刻んでいる学会です。記録によりますと,昭和初期に関西と東京で応用心理学関連の研究会が会を重ね,関西では1927(昭和2)年4月に京都帝国大学において第1回の応用心理学会が開催され,東京では1931(昭和6)年6月に東京帝国大学で第1回の応用心理学会が開催されています。1934(昭和9)年4月に京都帝国大学で第1回の合同大会,1936(昭和11)年4月に広島文理科大学で第2回連合大会が開催され,第2回大会のときにはじめて「日本応用心理学会」という名称になりました。「応用心理学会」という学会名に「日本」が冠された最初ということになります。戦時による中断を経て,終戦後の復興第1回大会が日本大学で開催されたのは1946(昭和21)年3月のことでした。本学会は何と立ち上がりが早かったことでしょう。大会は1957(昭和32)年までは年に2回開かれ,1958(昭和33)年5月の大阪大学での第25回大会から年に1回の開催になり今日に至っています。本年度2012(平成24)年9月の第79回大会は北星学園大学(濱保久大会委員長),来年度2013(平成25)年9月の第80回大会は日本体育大学で開かれます。このように,これまでの歴史を概観していますとじつに感慨深いものがあります。
本学会は設立以来,学会の会長職を年次大会の当番機関代表者(大会委員長)が務めて参りましたが,会則の改正に伴い2003(平成15)年4月より理事長(旧会長)は常任理事の互選によって選出されることになりました。その第1代(1期,2期)理事長には岡村一成先生が就任されました。岡村理事長は新生本学会の基盤を築くために多大な貢献をされました。本学会の広報活動はもとより,機関誌『応用心理学研究』の拡充,若手会員に魅力ある組織づくり,倫理綱領の作成など,その足跡は本学会の発展に大きく寄与されました。何よりも本学会認定「応用心理士」制度を充実された功績は,本学会の活性化と対外的な地位の向上に限りなく役立つものでした。第2代(3期)理事長には森下高治先生が就任されました。森下理事長は岡村先生が取り組まれた組織力を継承しさらにその育成に力を注がれ,また種々の改革に着手されました。理事長諮問機関「応心の更なる発展を考える会」を母体に,会報誌『応用心理学のクロスロード』の刊行,ホームページ・メールニュースの新設,優秀大会発表賞の新設,東日本大震災復興支援活動など,その指導力はこれからの本学会のあり方を見通されてのものでした。両理事長のお力があればこそ,今日の本学会が確固とした存在感を示すことができたのではないかと思います。
本学会は「応用心理学」をキーワードに学問としての理論的研究ならびに社会的実践活動を両輪とする領域から組織され,本学会会員の皆様はそれぞれに社会の中枢で活躍しています。誠に頼もしい限りです。また本学会は,アカデミックな雰囲気に加えて会員相互の親和を大切にするという伝統があります。この伝統は他学会にはあまり見られない貴重なものですから,今後とも絶やすことなく継承していきたいと思います。一方でよく「基礎と応用」という言い方をしますが,心理学における基礎と応用は決して並列関係ではなく,また基礎を修得してから応用へ進むという二層構造でもなく,両者は互いに輻輳的な関係に位置づけられるものであろうと考えます。その意味で本学会は心理学の応用領域を網羅しておりますので,年次大会での研究発表やシンポジウム・ワークショップ,また本学会主催の公開シンポジウムなどに参加していただければ,基礎心理学と応用心理学とが互いに関係し合った最先端の研究・実践内容に触れることができます。これは他学会では果たし得ない本学会ならではの魅力であろうと思います。
ところで,これからの本学会には長い歴史と伝統を継承しながら,さらに学会の活性化を目標に種々の改革に取り組んでいくことが求められます。この場を借りてそのなかから数点を取り上げます。第一の点ですが,このところ機関誌『応用心理学研究』への投稿論文数が激増しています。会員の皆様はご自身の研究成果や実践活動の成果を発表する場として機関誌へ投稿すると思われますので,いま以上にスピーディな編集体制を確立していかなければなりません。審査システムを含め,会員の皆様のニーズに応えられる学会機関誌を目指していきたいと考えます。第二に「応用心理士」の専門性を一層高める取り組みです。現在,この資格を取得している会員は300名を超えています。「応用心理士」は,応用心理学の各領域に具体性をもつ資格として認知されなければなりません。そのため,より専門性に特化できる資格としてのあり方を検討していきます。研修会の充実などもその一端であろうと考えられます。第三は若手研究者の支援です。ここ数年,大学院生をはじめとする若手研究者の入会が大変増えています。若手研究者の入会は学会の活性化にもつながります。現在はそのひとつとして財政的な補助を行なっていますが,今後は財政的な面と並行して研究支援のあり方などを検討していくことが必要です。これらの諸点は,新体制においてすでに各委員会委員長を中心に活動を開始しています。またこれ以外にも広報活動,新規企画,国際交流などを含めいろいろな改革案,活性化案を具現化できるように進めているところです。加えて現在,来年度の年次大会80回を記念して日本応用心理学会編『現代社会と応用心理学』(全7巻)を刊行できるように編集作業を進めています。学会の英知を結集したシリーズになるものと思いますのでご期待ください。
以上,誠に僭越ではございますが理事長に就任いたしましたご挨拶に代えまして,過去・現在・未来を結ぶ本学会のあゆみと所信を申し述べさせていただきました。すべて会員の皆様にご支援を賜わらなければ一歩たりとも進むことができません。何とぞご協力くださいますよう幾重にもお願い申し上げます。