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トピックス

2013年度 学会賞受賞者

日本応用心理学会「学会賞」

日本応用心理学会
学会賞選考委員会

 先日の常任理事会で,学会賞の選考をおこない,以下の論文が受賞となりました。
おめでとうございます。

【論文賞】
[著者]
 Satoko CHO and Rieko KAWAMOTO(Kyushu University Graduate School)
[論文名]
 Development of an Evaluation Scale for the Care of Cancer Patients’ Families in General Wards.
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第38巻 第3号,193-203,2013
【奨励賞】
[著者]
 塩谷 尚正(関西大学大学院社会学研究科)
 土田 昭司(関西大学社会安全学部)
 辻川 典文(神戸親和女子大学発達教育学部)
[論文名]
 原子力発電に関する政府への信頼の規定因:政治的集合効力感と市民の関係性認知に着目した分析
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第38巻 第2号,99-105,2012

[敬称略,所属は論文掲載当時,順不同]

現代社会と応用心理学7 クローズアップ 犯罪

Closeup_HANZAI

[目次]
 『現代社会と応用心理学』の刊行にあたって
 はじめに
 第1章 現代の犯罪
  トピック1 現代の犯罪の特徴
  トピック2 殺人
  トピック3 性犯罪1 ── 被害の実態
  トピック4 性犯罪2 ── 加害者要因
  トピック5 サイバー犯罪
  トピック6 振り込め詐欺
  トピック7 ストーキング
  トピック8 セクシュアル・ハラスメント
  トピック9 ドメスティック犯罪
  トピック10 少年犯罪
  トピック11 街頭犯罪
  トピック12 交通事犯
  トピック13 権力の犯罪
 第2章 犯罪をとりまく事象と応用心理学
  トピック14 捜査・防犯・裁判と心理学
  トピック15 非科学的な虚偽検出
  トピック16 ポリグラフ検査
  トピック17 嘘と目の動き
  トピック18 嘘と血流
  トピック19 嘘と脳
  トピック20 認知面接
  トピック21 犯罪者プロファイリング
  トピック22 目撃証言の心理学
  トピック23 マインド・コントロール
  トピック24 裁判員裁判
  トピック25 地域防犯


第79回大会 優秀大会発表賞受賞者

日本応用心理学会第79回大会「優秀大会発表賞」

日本応用心理学会    
優秀大会発表賞選考委員会

 先日の常任理事会で,第79回大会における優秀大会発表賞受賞の選考をおこない,以下の発表が受賞となりました。おめでとうございます。

大学生の友人関係における対人葛藤の終結までのプロセス
    複線経路・等至性モデル(TEM)に基づいて
 ○岡本 悠(明治学院大学大学院)
  いとう たけひこ(和光大学)
  井上 孝代(明治学院大学)
虚偽検出に関する基礎的研究  刺激の有意性・有用性と眼球運動
 ○小野 洋平・谷口 泰富(駒澤大学文学部)
  石岡 綾香(駒澤大学大学院人文科学研究科)
  軽部 幸浩(駒澤大学文学部)
ヒューマノイドの認知された安心感  性別と年齢の影響
 ○上出 寛子(大阪大学大学院)
情報化社会が看護実践力及びコミュニケーションに及ぼす影響
 ○川本 利恵子・中尾 久子・宮園 真美・木下 由美子・金岡 麻希
  (九州大学大学院医学研究院保健学部門看護学分野)
内部監査人が企業不祥事を発見する認知能力  内部監査人を見守る科学のまなざし
 ○伍井 和夫(東洋電機製造(株)監査部長)
ボンド理論における4要素の検討  犯罪心理学の観点からの再構築
 ○谷本 郁子・永瀨 彩・桐生 正幸(関西国際大学大学院)
高齢ドライバーの自己評価と運転補償方略の関係
 ○蓮花 のぞみ(神戸大学大学院,大阪大学大学院)
  臼井 伸之介(大阪大学大学院)

[敬称略,○印は責任発表者,所属は受賞当時,順不同]

2012年度 学会賞受賞者

日本応用心理学会「学会賞」

日本応用心理学会
学会賞選考委員会

 先日の常任理事会で,学会賞の選考をおこない,以下の論文が受賞となりました。
おめでとうございます。

【論文部門】
[著者]
 松本 友一郎・臼井 伸之介(大阪大学大学院人間科学研究科)
[論文名]
 医師及び他の看護師との関係における対人ストレッサーが看護師のバーンアウトに及ぼす影響
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第36巻 第1号,1-12,2010
[著者]
 大森 哲至・藤森 立男(横浜国立大学大学院国際社会科学研究科)
[論文名]
 繰り返される自然災害と被災者の長期的な精神健康の問題
    2000年三宅島雄山噴火後の坪田地区住民の精神健康について
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第36巻 第2号,69-78,2011
  【実践活動部門】
該当なし

[敬称略,所属は論文掲載当時,順不同]

理事長のご挨拶

歴史と伝統を継承し さらに魅力ある学会へ

理事長 藤田 主一(ふじた しゅいち)
日本体育大学

 日本応用心理学会会員の皆様には,各方面でご活躍のこととお慶び申し上げます。日ごろより本学会活動にご協力を賜り深く感謝申し上げます。このたび皆様からのご推挙により理事長に選出されましたことは身に余る光栄に存じ,また身の引き締まる思いでございます。皆様のお力添えを賜りまして長い歴史と伝統を誇る本学会を引き継ぎ,さらなる発展を目指していきたいと思います。役員の皆様,会員の皆様には一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 さて,日本応用心理学会はわが国の心理学界のなかでは日本心理学会とともに長い歴史を刻んでいる学会です。記録によりますと,昭和初期に関西と東京で応用心理学関連の研究会が会を重ね,関西では1927(昭和2)年4月に京都帝国大学において第1回の応用心理学会が開催され,東京では1931(昭和6)年6月に東京帝国大学で第1回の応用心理学会が開催されています。1934(昭和9)年4月に京都帝国大学で第1回の合同大会,1936(昭和11)年4月に広島文理科大学で第2回連合大会が開催され,第2回大会のときにはじめて「日本応用心理学会」という名称になりました。「応用心理学会」という学会名に「日本」が冠された最初ということになります。戦時による中断を経て,終戦後の復興第1回大会が日本大学で開催されたのは1946(昭和21)年3月のことでした。本学会は何と立ち上がりが早かったことでしょう。大会は1957(昭和32)年までは年に2回開かれ,1958(昭和33)年5月の大阪大学での第25回大会から年に1回の開催になり今日に至っています。本年度2012(平成24)年9月の第79回大会は北星学園大学(濱保久大会委員長),来年度2013(平成25)年9月の第80回大会は日本体育大学で開かれます。このように,これまでの歴史を概観していますとじつに感慨深いものがあります。

 本学会は設立以来,学会の会長職を年次大会の当番機関代表者(大会委員長)が務めて参りましたが,会則の改正に伴い2003(平成15)年4月より理事長(旧会長)は常任理事の互選によって選出されることになりました。その第1代(1期,2期)理事長には岡村一成先生が就任されました。岡村理事長は新生本学会の基盤を築くために多大な貢献をされました。本学会の広報活動はもとより,機関誌『応用心理学研究』の拡充,若手会員に魅力ある組織づくり,倫理綱領の作成など,その足跡は本学会の発展に大きく寄与されました。何よりも本学会認定「応用心理士」制度を充実された功績は,本学会の活性化と対外的な地位の向上に限りなく役立つものでした。第2代(3期)理事長には森下高治先生が就任されました。森下理事長は岡村先生が取り組まれた組織力を継承しさらにその育成に力を注がれ,また種々の改革に着手されました。理事長諮問機関「応心の更なる発展を考える会」を母体に,会報誌『応用心理学のクロスロード』の刊行,ホームページ・メールニュースの新設,優秀大会発表賞の新設,東日本大震災復興支援活動など,その指導力はこれからの本学会のあり方を見通されてのものでした。両理事長のお力があればこそ,今日の本学会が確固とした存在感を示すことができたのではないかと思います。

 本学会は「応用心理学」をキーワードに学問としての理論的研究ならびに社会的実践活動を両輪とする領域から組織され,本学会会員の皆様はそれぞれに社会の中枢で活躍しています。誠に頼もしい限りです。また本学会は,アカデミックな雰囲気に加えて会員相互の親和を大切にするという伝統があります。この伝統は他学会にはあまり見られない貴重なものですから,今後とも絶やすことなく継承していきたいと思います。一方でよく「基礎と応用」という言い方をしますが,心理学における基礎と応用は決して並列関係ではなく,また基礎を修得してから応用へ進むという二層構造でもなく,両者は互いに輻輳的な関係に位置づけられるものであろうと考えます。その意味で本学会は心理学の応用領域を網羅しておりますので,年次大会での研究発表やシンポジウム・ワークショップ,また本学会主催の公開シンポジウムなどに参加していただければ,基礎心理学と応用心理学とが互いに関係し合った最先端の研究・実践内容に触れることができます。これは他学会では果たし得ない本学会ならではの魅力であろうと思います。

 ところで,これからの本学会には長い歴史と伝統を継承しながら,さらに学会の活性化を目標に種々の改革に取り組んでいくことが求められます。この場を借りてそのなかから数点を取り上げます。第一の点ですが,このところ機関誌『応用心理学研究』への投稿論文数が激増しています。会員の皆様はご自身の研究成果や実践活動の成果を発表する場として機関誌へ投稿すると思われますので,いま以上にスピーディな編集体制を確立していかなければなりません。審査システムを含め,会員の皆様のニーズに応えられる学会機関誌を目指していきたいと考えます。第二に「応用心理士」の専門性を一層高める取り組みです。現在,この資格を取得している会員は300名を超えています。「応用心理士」は,応用心理学の各領域に具体性をもつ資格として認知されなければなりません。そのため,より専門性に特化できる資格としてのあり方を検討していきます。研修会の充実などもその一端であろうと考えられます。第三は若手研究者の支援です。ここ数年,大学院生をはじめとする若手研究者の入会が大変増えています。若手研究者の入会は学会の活性化にもつながります。現在はそのひとつとして財政的な補助を行なっていますが,今後は財政的な面と並行して研究支援のあり方などを検討していくことが必要です。これらの諸点は,新体制においてすでに各委員会委員長を中心に活動を開始しています。またこれ以外にも広報活動,新規企画,国際交流などを含めいろいろな改革案,活性化案を具現化できるように進めているところです。加えて現在,来年度の年次大会80回を記念して日本応用心理学会編『現代社会と応用心理学』(全7巻)を刊行できるように編集作業を進めています。学会の英知を結集したシリーズになるものと思いますのでご期待ください。

 以上,誠に僭越ではございますが理事長に就任いたしましたご挨拶に代えまして,過去・現在・未来を結ぶ本学会のあゆみと所信を申し述べさせていただきました。すべて会員の皆様にご支援を賜わらなければ一歩たりとも進むことができません。何とぞご協力くださいますよう幾重にもお願い申し上げます。

歴史と伝統を継承し さらに魅力ある学会へ

理事長 藤田 主一(ふじた しゅいち)
日本体育大学

 日本応用心理学会会員の皆様には,各方面でご活躍のこととお慶び申し上げます。日ごろより本学会活動にご協力を賜り深く感謝申し上げます。このたび皆様からのご推挙により理事長に選出されましたことは身に余る光栄に存じ,また身の引き締まる思いでございます。皆様のお力添えを賜りまして長い歴史と伝統を誇る本学会を引き継ぎ,さらなる発展を目指していきたいと思います。役員の皆様,会員の皆様には一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 さて,日本応用心理学会はわが国の心理学界のなかでは日本心理学会とともに長い歴史を刻んでいる学会です。記録によりますと,昭和初期に関西と東京で応用心理学関連の研究会が会を重ね,関西では1927(昭和2)年4月に京都帝国大学において第1回の応用心理学会が開催され,東京では1931(昭和6)年6月に東京帝国大学で第1回の応用心理学会が開催されています。1934(昭和9)年4月に京都帝国大学で第1回の合同大会,1936(昭和11)年4月に広島文理科大学で第2回連合大会が開催され,第2回大会のときにはじめて「日本応用心理学会」という名称になりました。「応用心理学会」という学会名に「日本」が冠された最初ということになります。戦時による中断を経て,終戦後の復興第1回大会が日本大学で開催されたのは1946(昭和21)年3月のことでした。本学会は何と立ち上がりが早かったことでしょう。大会は1957(昭和32)年までは年に2回開かれ,1958(昭和33)年5月の大阪大学での第25回大会から年に1回の開催になり今日に至っています。本年度2012(平成24)年9月の第79回大会は北星学園大学(濱保久大会委員長),来年度2013(平成25)年9月の第80回大会は日本体育大学で開かれます。このように,これまでの歴史を概観していますとじつに感慨深いものがあります。
 本学会は設立以来,学会の会長職を年次大会の当番機関代表者(大会委員長)が務めて参りましたが,会則の改正に伴い2003(平成15)年4月より理事長(旧会長)は常任理事の互選によって選出されることになりました。その第1代(1期,2期)理事長には岡村一成先生が就任されました。岡村理事長は新生本学会の基盤を築くために多大な貢献をされました。本学会の広報活動はもとより,機関誌『応用心理学研究』の拡充,若手会員に魅力ある組織づくり,倫理綱領の作成など,その足跡は本学会の発展に大きく寄与されました。何よりも本学会認定「応用心理士」制度を充実された功績は,本学会の活性化と対外的な地位の向上に限りなく役立つものでした。第2代(3期)理事長には森下高治先生が就任されました。森下理事長は岡村先生が取り組まれた組織力を継承しさらにその育成に力を注がれ,また種々の改革に着手されました。理事長諮問機関「応心の更なる発展を考える会」を母体に,会報誌『応用心理学のクロスロード』の刊行,ホームページ・メールニュースの新設,優秀大会発表賞の新設,東日本大震災復興支援活動など,その指導力はこれからの本学会のあり方を見通されてのものでした。両理事長のお力があればこそ,今日の本学会が確固とした存在感を示すことができたのではないかと思います。
 本学会は「応用心理学」をキーワードに学問としての理論的研究ならびに社会的実践活動を両輪とする領域から組織され,本学会会員の皆様はそれぞれに社会の中枢で活躍しています。誠に頼もしい限りです。また本学会は,アカデミックな雰囲気に加えて会員相互の親和を大切にするという伝統があります。この伝統は他学会にはあまり見られない貴重なものですから,今後とも絶やすことなく継承していきたいと思います。一方でよく「基礎と応用」という言い方をしますが,心理学における基礎と応用は決して並列関係ではなく,また基礎を修得してから応用へ進むという二層構造でもなく,両者は互いに輻輳的な関係に位置づけられるものであろうと考えます。その意味で本学会は心理学の応用領域を網羅しておりますので,年次大会での研究発表やシンポジウム・ワークショップ,また本学会主催の公開シンポジウムなどに参加していただければ,基礎心理学と応用心理学とが互いに関係し合った最先端の研究・実践内容に触れることができます。これは他学会では果たし得ない本学会ならではの魅力であろうと思います。
 ところで,これからの本学会には長い歴史と伝統を継承しながら,さらに学会の活性化を目標に種々の改革に取り組んでいくことが求められます。この場を借りてそのなかから数点を取り上げます。第一の点ですが,このところ機関誌『応用心理学研究』への投稿論文数が激増しています。会員の皆様はご自身の研究成果や実践活動の成果を発表する場として機関誌へ投稿すると思われますので,いま以上にスピーディな編集体制を確立していかなければなりません。審査システムを含め,会員の皆様のニーズに応えられる学会機関誌を目指していきたいと考えます。第二に「応用心理士」の専門性を一層高める取り組みです。現在,この資格を取得している会員は300名を超えています。「応用心理士」は,応用心理学の各領域に具体性をもつ資格として認知されなければなりません。そのため,より専門性に特化できる資格としてのあり方を検討していきます。研修会の充実などもその一端であろうと考えられます。第三は若手研究者の支援です。ここ数年,大学院生をはじめとする若手研究者の入会が大変増えています。若手研究者の入会は学会の活性化にもつながります。現在はそのひとつとして財政的な補助を行なっていますが,今後は財政的な面と並行して研究支援のあり方などを検討していくことが必要です。これらの諸点は,新体制においてすでに各委員会委員長を中心に活動を開始しています。またこれ以外にも広報活動,新規企画,国際交流などを含めいろいろな改革案,活性化案を具現化できるように進めているところです。加えて現在,来年度の年次大会80回を記念して日本応用心理学会編『現代社会と応用心理学』(全7巻)を刊行できるように編集作業を進めています。学会の英知を結集したシリーズになるものと思いますのでご期待ください。
 以上,誠に僭越ではございますが理事長に就任いたしましたご挨拶に代えまして,過去・現在・未来を結ぶ本学会のあゆみと所信を申し述べさせていただきました。すべて会員の皆様にご支援を賜わらなければ一歩たりとも進むことができません。何とぞご協力くださいますよう幾重にもお願い申し上げます。

退任のご挨拶

森下 高治(もりした たかはる)
帝塚山大学 心理福祉学部

 公選になって私が理事長に就任しましたのが,3年前の2009年4月1日でした。公選による初代理事長の岡村一成先生は二期にわたり基礎を築いて来られました。その後を受けての大役でした。振り返りますと,公選前の2003年に70回大会をお引き受けした関係で2002年の秋から理事長を拝命したこともあり,正確には3年と6カ月務めさせて戴きました。
 はじめにこの3年,会員の皆様,理事,常任理事の皆様に支えられ,理事長職を何とかこなすことが出来,御礼とともに感謝を申し上げます。
 この度の役員選挙は,4月から森下が本務校をも含む複数の役職に就任することを受け,常任理事を辞退させて戴きました。
 新理事長には私を全面的に支えて下さっていた経験豊かな副理事長の藤田主一先生が第3代の理事長に選ばれました。
 さて,在任期間のなかでの大きな出来事は,“2011年3月11日(金)”,未曾有の巨大地震が発生したことです。大震災からまもなく1年2ヶ月を迎えようとしています。地震に加えて,原発災害による放射能の被爆,除染問題が福島を中心に人々の生活に大きな影響を与えていて,一日でも早い原発からの不安,岩手,宮城を中心とした被災地域では安心できる生活が求められます。
 震災以降,福島を訪れた時に50代の男性から,地震と原発災害さえなければ,本当に住みよい町であったと言う言葉が私自身,今も耳から離れません。
そのようななか社会との接点が多い研究が殆どの応用心理学徒は,自ら取り組んだ研究成果をいつも社会に還元する必要があります。
昨年の総会時に申し上げましたが,学会の財政は厳しく緊縮財政の予算を組みましたが,より小さな執行体制を取りながら,逆により大きな魅力ある活動を目指し,必要に応じ財政出動を視野に運営が進むかと思います。
 学会の財政と運営について,常任理事会では理事長提案の『日本応用心理学会の更なる発展を考える会』と称する理事長諮問委員会を設置し検討課題について,幅広く協議をして参りました。この3月には最終報告書が藤田先生を中心にまとめられました。会員名簿の作成方針,メールニュースの新設,常任理事の定員,大会での優秀論文の表彰など既に一部は実施されています。
 学会の企画委員会では,毎年公開シンポジウムを開催しタイムナリーなテーマを取り上げ,会員はじめ地域住民,学生,院生の聴講も含め前回の2011年は日本体育大学で,一昨年は駒澤大学,2009年は東京富士大学で多くの参加者が見え盛会でした。また,若手研究者の支援制度も定着し,学会あげて若手研究者の育成に少しでも寄与できたかと思います。
 また,この3年若手研究者からの機関誌応用心理学研究の投稿が大幅に増え,喜ばしい現象が続いていますが,会員の皆様には査読の遅れでご迷惑をおかけ致しました。この点につきましては深くお詫び申し上げます。
 幸い新理事長の藤田主一先生は,国際応用心理学会議の英文特集号をはじめ,これまで編集に関してはいろんな立場で関わって来られましたので,新しい機関誌編集委員会体制が構築され査読のスピードアップ化が図られるものと思います。
 次に,国際交流では2010年にメルボルンで開催された国際応用心理学会議で日本応用心理学会のシンポジウムを委員長の内藤先生を中心に,蓮花教授とP.Ch.ボイス教授の企画によりテーマとして”Measures to Aging in Japan” を取り上げました。
広報については,委員長の藤森先生を中心に『応用心理学のクロスロード』が2010年の6月に創刊され,会員の皆様の活躍ぶりが紹介され,社会の中の最前線の研究の動きも広報により広く行き渡り情報発信として寄与できたものと思います。このクロスロードに加え,今後は新体制のもとホームページを通じた媒体,Webによるニュースレターの配信,さらに会員同士の情報の交換も出来るよう進めて戴いています。
 さらに,応用心理士についてはより有用な資格となるように研修も含めた強化案が模索されるかと思います。九州大学の76回大会,京都大学での77回大会,信州大学での第78回大会は,若年,中,高,熟年の会員はもちろんのこと,非会員の方を含め本当に幅広い皆様の参加で大会が盛り上がりました。
最後に,会員皆様のご健康とご多幸をお祈り致しますとともに,これまでのご支援・ご協力に深謝致します。加えて,日本応用心理学会の伝統のあたたかい本会の雰囲気を大切に,更なる学会の発展を祈念申し上げます。

第78回大会 優秀大会発表賞受賞者

日本応用心理学会第78回大会「優秀大会発表賞」

日本応用心理学会    
優秀大会発表賞選考委員会

 先日の常任理事会で,第78回大会における優秀大会発表賞受賞の選考をおこない,以下の発表が受賞となりました。おめでとうございます。

『血液型性格学』は信頼できるか(第28報)1,2,3
 ○浮谷 秀一(東京富士大学)‥‥ 1 血液型と県民性について
 ○藤田 主一(日本体育大学)‥‥ 2 血液型と民族性について
 ○大村 政男(日本大学)  ‥‥ 3 古川竹二の「団体気質」の問題点を衝く
繰り返される自然災害と高齢者のPTSD
    2000年三宅島雄山噴火から9年後の坪田地区住民への実態調査から
 ○大森 哲至・藤森 立男・松下 陽一郎
  (横浜国立大学大学院国際社会学研究科)
人的資源管理施策と個人プロアクティブ行動
    縦断的データに対するSEMを用いた媒介モデルの検討
 ○竹内 倫和(学習院大学経済学部)
  太田 さつき・髙石 光一・岡村 一成(東京富士大学経営学部)
江戸時代の犯罪者プロファイリング  長崎犯科帳を使用した殺人犯罪情報分析
 ○田山 允俊・永瀨 彩・谷本 郁子(関西国際大学大学院人間行動学研究科)
  川瀧 節子(関西国際大学)
  桐生 正幸(関西国際大学大学院)
聞き手と話し手の笑顔度測定における相互影響過程の移動相互相関分析
 ○安原 久美子(帝塚山大学大学院人文科学研究科)

[敬称略,○印は責任発表者,所属は受賞当時,順不同]

東日本大震災に関する緊急メッセージ

理事長 森下 高治(帝塚山大学)

 ”2011年3月11日(金)”,未曾有の巨大地震が発生,大震災から7ヶ月を経過しました。
10月6日発表(警察庁)によると今なお不明者が3,926人,死者は15,821人を数えている。地震に加えて,原発災害による放射能の被爆,除染問題が福島を中心に人々の生活に大きな影響を与えている。一日でも早い原発からの不安,岩手,宮城を中心とした被災地域では安心できる生活が求められる。
震災以降,福島を訪れた時に50代の男性から,地震と原発災害さえなければ,本当に住みよい町であったと言う言葉が私自身,今も耳から離れない。

 丁度一ヶ月前の初秋の9月10日と11日に,松本の信州大学人文学部で日本応用心理学会第78回大会(内藤哲雄大会委員長)が開催された。
二日目の11日に特別講演として”東日本大震災から学ぶ  応用心理学への期待を込めて ”のテーマで社会安全研究所の首藤由紀氏が14の新たな課題を提起された。14の課題全ては応用心理学徒に求められたものである。また,自主企画ワークショップにおいてもジャパンEAPシステムズの大林氏と明治学院大学の井上教授による「東日本大震災における勤労者のこころの支援を考える」が企画された。また,ポスター発表では災害に関して横浜国立大学大学院の大森氏,藤森教授,松下氏の「繰り返される自然災害と高齢者のPTSD-2000年三宅島雄山噴火から9年後の実態調査」が発表され,大震災の今後の問題として注目を集めた。

 そのようななか学会の役割として,信州大学の第78回大会総会で大震災の実践,調査教育研究活動をスムーズに行うために助成金に対するカンパ(義援金)をお願いしたところ57,630円の寄付があり,端数分を補い60,000円の基金をもとに今年度予備費の一部を割り当て1テーマ最高10万円の助成金でもって3~4件のテーマに助成を行うことになりました。募金をされた皆様には,この場をお借りし御礼を申し上げます。
詳しくは,日本応用心理学会東日本大震災の実践,調査教育研究活動に対する助成について(募集)をご覧ください。
今回の助成は,被災地域への義援金の直接支援ではありませんが,私ども応用心理学会の会員が個人レベル,あるいは学会を通して危機的状況に対して少しでも動くことが出来ればと考えます。悲しみを共有することは完全には出来なくても,専門の立場からリスク管理,こころのケア,交通,看護・保健,医療活動,教育,福祉,ボランテイア活動に会員皆様が積極的に関わってくださることが,学会としての務めかと思います。肝心なことは,日本応用心理学会が,社会に貢献できることです。そのために,学会員が被災者の方々に援助の手を差しのべてほしいと切に希望致します。
問い合わせは,日本応用心理学会メールアドレス:jaap-post(at)bunken.co.jpまで。
※[(at)をアットマークに換えてご連絡ください]

 最後に,日本応用心理学会の公開シンポジウムが来る11月12日(土)に日本体育大学世田谷キャンパスで開催されます。
 テーマは,“まさか!”の応用心理学 ― 災害時はこうする ― で企画は麻布大学の田之内教授,司会は災害研究の第一人者横浜国立大学の藤森教授,シンポジストして第一線で活躍の心理学者(日本大学の伊坂准教授,東京富士大学の深澤教授,同志社大学の中谷内教授)を予定しています。奮って参加をしてくださればと思う次第です。
問い合わせは,tanouchi(at)azabu-u.ac.jp(麻布大学 田之内)まで。
※[(at)をアットマークに換えてご連絡ください]


 当学会の常任理事であり広報委員長の藤森立男先生(横浜国立大学教授)が中心なって作成された「子どもたちの心のケア」(PDF版)を公開いたします。ご自由にご覧いただきご活用ください。なお,現地の要請に応じて日本応用心理学会としても震災対策に取り組んで参りたいと思います。

第77回大会 優秀大会発表賞受賞者

日本応用心理学会第77回大会「優秀大会発表賞」

日本応用心理学会    
優秀大会発表賞選考委員会

 日本応用心理学会では,本年度から年次大会において優れた研究発表を行った研究者および研究発表を表彰することになりました。
 先日の常任理事会で,第77回大会における優秀大会発表賞受賞の選考をおこない,以下の発表が受賞となりました。おめでとうございます。

虚偽検出検査における質問および返答の影響  末梢皮膚血流を指標とした分析
 ○石岡 綾香・小野 洋平(駒澤大学大学院人文科学研究科)
  軽部 幸浩・谷口 泰富(駒澤大学文学部)
小児専門病院放射線科におけるヒューマンエラーの事例分析
    子どもの特性とエラーとの関連
 ○石舘 美弥子(湘南短期大学看護学科)
  五十嵐 博(群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部)
臨地実習で学習困難を経験した時の看護学生のPAC 分析
 ○那須 美奈子(新潟県立看護大学大学院看護学研究科)
  堀 良子 (新潟県立看護大学基礎看護学)
看護学生の事故防止教育の検討  患者の日常生活動作のイメージと危険察知
 ○西土 泉・佐野 薫・玉木 ミヨ子・今野 葉月・蒲生 澄美子・関口 恵子・宮崎 素子
  (埼玉医科大学短期大学)

[敬称略,○印は責任発表者,所属は受賞当時,順不同]