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トピックス

2014年度 学会賞受賞者

日本応用心理学会「学会賞」

日本応用心理学会
学会賞選考委員会

 先日の常任理事会で,学会賞の選考をおこない,以下の論文が受賞となりました。
おめでとうございます。

【論文賞】
[著者]
 蓮花 一己(帝塚山大学心理学部)
 多田 昌裕(近畿大学理工学部)
 向井 希宏(中京大学心理学部)
[論文名]
 高齢ドライバーと中年ドライバーのリスクテイキング行動に関する実証的研究
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第39巻 第3号,182-196,2014
【奨励賞】
[著者]
 朴 喜静(大阪大学大学院人間科学研究科)
 大坊 郁夫(東京未来大学モチベーション行動科学部)
[論文名]
 個人特性が嘘をつくときに表われる非言語行動に及ぼす影響
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第39巻 第3号,215-224,2014

第80回記念大会 優秀大会発表賞受賞者

 先日の常任理事会で,第80回記念大会における優秀大会発表賞受賞者が決定しました。
 おめでとうございます。

日本応用心理学会第80回記念大会「優秀大会発表賞」

日本応用心理学会    
優秀大会発表賞選考委員会

 日本応用心理学会では,本年度から部門(第1部門~第6部門)ごとに分け,学会賞の選考をおこなうことになりました。以下の発表が受賞となりました。

 第80回記念大会(2013年)

[第1部門] 原理・認知・感情
余暇活動の継続と自尊感情についての研究
 ○池原 有紀(帝塚山大学大学院心理科学研究科)
  大久保 純一郎(帝塚山大学大学院心理科学研究科)
  神澤 創(帝塚山大学大学院心理科学研究科)
[第2部門] 教育・発達・人格
認知症高齢者における攻撃行動と日常生活自立度との関連
 ○上野 萌子(同志社大学大学院心理学研究科/日本学術振興会)
  田村 啓子(乙の国福祉会)
  内山 伊知郎(同志社大学心理学部)
[第3部門] 臨床・福祉・相談
愛着とメディア情報が体型へのこだわりおよびボディイメージに与える影響
 ○末瀬 慧(帝塚山大学大学院心理科学研究科)
[第4部門] 健康・スポーツ・看護・医療
看護技術習得における自己調整学習方略尺度開発の試み
    首都圏の看護短期大学および専門学校の学生を対象とした調査より
 ○岩屋 裕美(放送大学大学院)
[第5部門] 犯罪・社会・文化
対人関係開始スキルがコミュニケーション行動に及ぼす影響
 ○横山 ひとみ(東北大学電気通信研究所)
  大坊 郁夫(東京未来大学モチベーション行動科学部)
[第6部門] 産業・交通・災害
アルバイト経験によるキャリア形成が将来のワーク・ライフ・バランス観に与える影響
 ○須賀 絵美(帝塚山大学大学院心理科学研究科)
  井上 孝代(明治学院大学)
[敬称略,○印は責任発表者,所属は受賞当時,順不同]

メールニュースの一覧について

 学会広報活動の一環として,メールニュースの配信をおこなっております。今までは,会員の方々にお送りした過去のメールニュースをマイページにアクセスすることで閲覧することができましたが,今回から学会ホームページにて閲覧できるようにいたしました。
 メールニュースの一覧は,ヘッダのナビゲーションメニューにある[機関誌・出版物]へマウスポインタを移動し,その後[メールニュース]をクリックすると閲覧できます。

現代社会と応用心理学2 クローズアップ 恋愛

Closeup_RENAI

[目次]
 『現代社会と応用心理学』の刊行にあたって
 はじめに
 トピック1 幸福になるための2つの方法
 トピック2 恋愛のタイプ
 トピック3 恋愛のプロセス
 トピック4 失恋の痛手
 トピック5 異性への自己呈示
 トピック6 おとなの恋愛の成り立ち
 トピック7 恋人と友人の境界
 トピック8 恋愛しない・できない若者たち
 トピック9 同性愛
 トピック10 配偶者を求める進化プログラム
 トピック11 浮気の行動学
 トピック12 恋愛とセックスは別ものか
 トピック13 出会い,告白
 トピック14 別れ ── 関係の崩壊
 トピック15 結婚
 トピック16 夫婦のコミュニケーション
 トピック17 うまくいく夫婦
 トピック18 親と子育て/家族
 トピック19 家庭内暴力
 トピック20 離婚
 トピック21 母は強いか
 トピック22 一人暮らしの高齢者,その生活
 トピック23 夫も妻も,家族こそ生きがいか
 トピック24 幸福の条件
 トピック25 幸福な社会


2013年度 学会賞受賞者

日本応用心理学会「学会賞」

日本応用心理学会
学会賞選考委員会

 先日の常任理事会で,学会賞の選考をおこない,以下の論文が受賞となりました。
おめでとうございます。

【論文賞】
[著者]
 Satoko CHO and Rieko KAWAMOTO(Kyushu University Graduate School)
[論文名]
 Development of an Evaluation Scale for the Care of Cancer Patients’ Families in General Wards.
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第38巻 第3号,193-203,2013
【奨励賞】
[著者]
 塩谷 尚正(関西大学大学院社会学研究科)
 土田 昭司(関西大学社会安全学部)
 辻川 典文(神戸親和女子大学発達教育学部)
[論文名]
 原子力発電に関する政府への信頼の規定因:政治的集合効力感と市民の関係性認知に着目した分析
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第38巻 第2号,99-105,2012

[敬称略,所属は論文掲載当時,順不同]

現代社会と応用心理学7 クローズアップ 犯罪

Closeup_HANZAI

[目次]
 『現代社会と応用心理学』の刊行にあたって
 はじめに
 第1章 現代の犯罪
  トピック1 現代の犯罪の特徴
  トピック2 殺人
  トピック3 性犯罪1 ── 被害の実態
  トピック4 性犯罪2 ── 加害者要因
  トピック5 サイバー犯罪
  トピック6 振り込め詐欺
  トピック7 ストーキング
  トピック8 セクシュアル・ハラスメント
  トピック9 ドメスティック犯罪
  トピック10 少年犯罪
  トピック11 街頭犯罪
  トピック12 交通事犯
  トピック13 権力の犯罪
 第2章 犯罪をとりまく事象と応用心理学
  トピック14 捜査・防犯・裁判と心理学
  トピック15 非科学的な虚偽検出
  トピック16 ポリグラフ検査
  トピック17 嘘と目の動き
  トピック18 嘘と血流
  トピック19 嘘と脳
  トピック20 認知面接
  トピック21 犯罪者プロファイリング
  トピック22 目撃証言の心理学
  トピック23 マインド・コントロール
  トピック24 裁判員裁判
  トピック25 地域防犯


第79回大会 優秀大会発表賞受賞者

日本応用心理学会第79回大会「優秀大会発表賞」

日本応用心理学会    
優秀大会発表賞選考委員会

 先日の常任理事会で,第79回大会における優秀大会発表賞受賞の選考をおこない,以下の発表が受賞となりました。おめでとうございます。

大学生の友人関係における対人葛藤の終結までのプロセス
    複線経路・等至性モデル(TEM)に基づいて
 ○岡本 悠(明治学院大学大学院)
  いとう たけひこ(和光大学)
  井上 孝代(明治学院大学)
虚偽検出に関する基礎的研究  刺激の有意性・有用性と眼球運動
 ○小野 洋平・谷口 泰富(駒澤大学文学部)
  石岡 綾香(駒澤大学大学院人文科学研究科)
  軽部 幸浩(駒澤大学文学部)
ヒューマノイドの認知された安心感  性別と年齢の影響
 ○上出 寛子(大阪大学大学院)
情報化社会が看護実践力及びコミュニケーションに及ぼす影響
 ○川本 利恵子・中尾 久子・宮園 真美・木下 由美子・金岡 麻希
  (九州大学大学院医学研究院保健学部門看護学分野)
内部監査人が企業不祥事を発見する認知能力  内部監査人を見守る科学のまなざし
 ○伍井 和夫(東洋電機製造(株)監査部長)
ボンド理論における4要素の検討  犯罪心理学の観点からの再構築
 ○谷本 郁子・永瀨 彩・桐生 正幸(関西国際大学大学院)
高齢ドライバーの自己評価と運転補償方略の関係
 ○蓮花 のぞみ(神戸大学大学院,大阪大学大学院)
  臼井 伸之介(大阪大学大学院)

[敬称略,○印は責任発表者,所属は受賞当時,順不同]

2012年度 学会賞受賞者

日本応用心理学会「学会賞」

日本応用心理学会
学会賞選考委員会

 先日の常任理事会で,学会賞の選考をおこない,以下の論文が受賞となりました。
おめでとうございます。

【論文部門】
[著者]
 松本 友一郎・臼井 伸之介(大阪大学大学院人間科学研究科)
[論文名]
 医師及び他の看護師との関係における対人ストレッサーが看護師のバーンアウトに及ぼす影響
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第36巻 第1号,1-12,2010
[著者]
 大森 哲至・藤森 立男(横浜国立大学大学院国際社会科学研究科)
[論文名]
 繰り返される自然災害と被災者の長期的な精神健康の問題
    2000年三宅島雄山噴火後の坪田地区住民の精神健康について
[掲載誌]
 『応用心理学研究』 第36巻 第2号,69-78,2011
  【実践活動部門】
該当なし

[敬称略,所属は論文掲載当時,順不同]

理事長のご挨拶

歴史と伝統を継承し さらに魅力ある学会へ

理事長 藤田 主一(ふじた しゅいち)
日本体育大学

 日本応用心理学会会員の皆様には,各方面でご活躍のこととお慶び申し上げます。日ごろより本学会活動にご協力を賜り深く感謝申し上げます。このたび皆様からのご推挙により理事長に選出されましたことは身に余る光栄に存じ,また身の引き締まる思いでございます。皆様のお力添えを賜りまして長い歴史と伝統を誇る本学会を引き継ぎ,さらなる発展を目指していきたいと思います。役員の皆様,会員の皆様には一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 さて,日本応用心理学会はわが国の心理学界のなかでは日本心理学会とともに長い歴史を刻んでいる学会です。記録によりますと,昭和初期に関西と東京で応用心理学関連の研究会が会を重ね,関西では1927(昭和2)年4月に京都帝国大学において第1回の応用心理学会が開催され,東京では1931(昭和6)年6月に東京帝国大学で第1回の応用心理学会が開催されています。1934(昭和9)年4月に京都帝国大学で第1回の合同大会,1936(昭和11)年4月に広島文理科大学で第2回連合大会が開催され,第2回大会のときにはじめて「日本応用心理学会」という名称になりました。「応用心理学会」という学会名に「日本」が冠された最初ということになります。戦時による中断を経て,終戦後の復興第1回大会が日本大学で開催されたのは1946(昭和21)年3月のことでした。本学会は何と立ち上がりが早かったことでしょう。大会は1957(昭和32)年までは年に2回開かれ,1958(昭和33)年5月の大阪大学での第25回大会から年に1回の開催になり今日に至っています。本年度2012(平成24)年9月の第79回大会は北星学園大学(濱保久大会委員長),来年度2013(平成25)年9月の第80回大会は日本体育大学で開かれます。このように,これまでの歴史を概観していますとじつに感慨深いものがあります。

 本学会は設立以来,学会の会長職を年次大会の当番機関代表者(大会委員長)が務めて参りましたが,会則の改正に伴い2003(平成15)年4月より理事長(旧会長)は常任理事の互選によって選出されることになりました。その第1代(1期,2期)理事長には岡村一成先生が就任されました。岡村理事長は新生本学会の基盤を築くために多大な貢献をされました。本学会の広報活動はもとより,機関誌『応用心理学研究』の拡充,若手会員に魅力ある組織づくり,倫理綱領の作成など,その足跡は本学会の発展に大きく寄与されました。何よりも本学会認定「応用心理士」制度を充実された功績は,本学会の活性化と対外的な地位の向上に限りなく役立つものでした。第2代(3期)理事長には森下高治先生が就任されました。森下理事長は岡村先生が取り組まれた組織力を継承しさらにその育成に力を注がれ,また種々の改革に着手されました。理事長諮問機関「応心の更なる発展を考える会」を母体に,会報誌『応用心理学のクロスロード』の刊行,ホームページ・メールニュースの新設,優秀大会発表賞の新設,東日本大震災復興支援活動など,その指導力はこれからの本学会のあり方を見通されてのものでした。両理事長のお力があればこそ,今日の本学会が確固とした存在感を示すことができたのではないかと思います。

 本学会は「応用心理学」をキーワードに学問としての理論的研究ならびに社会的実践活動を両輪とする領域から組織され,本学会会員の皆様はそれぞれに社会の中枢で活躍しています。誠に頼もしい限りです。また本学会は,アカデミックな雰囲気に加えて会員相互の親和を大切にするという伝統があります。この伝統は他学会にはあまり見られない貴重なものですから,今後とも絶やすことなく継承していきたいと思います。一方でよく「基礎と応用」という言い方をしますが,心理学における基礎と応用は決して並列関係ではなく,また基礎を修得してから応用へ進むという二層構造でもなく,両者は互いに輻輳的な関係に位置づけられるものであろうと考えます。その意味で本学会は心理学の応用領域を網羅しておりますので,年次大会での研究発表やシンポジウム・ワークショップ,また本学会主催の公開シンポジウムなどに参加していただければ,基礎心理学と応用心理学とが互いに関係し合った最先端の研究・実践内容に触れることができます。これは他学会では果たし得ない本学会ならではの魅力であろうと思います。

 ところで,これからの本学会には長い歴史と伝統を継承しながら,さらに学会の活性化を目標に種々の改革に取り組んでいくことが求められます。この場を借りてそのなかから数点を取り上げます。第一の点ですが,このところ機関誌『応用心理学研究』への投稿論文数が激増しています。会員の皆様はご自身の研究成果や実践活動の成果を発表する場として機関誌へ投稿すると思われますので,いま以上にスピーディな編集体制を確立していかなければなりません。審査システムを含め,会員の皆様のニーズに応えられる学会機関誌を目指していきたいと考えます。第二に「応用心理士」の専門性を一層高める取り組みです。現在,この資格を取得している会員は300名を超えています。「応用心理士」は,応用心理学の各領域に具体性をもつ資格として認知されなければなりません。そのため,より専門性に特化できる資格としてのあり方を検討していきます。研修会の充実などもその一端であろうと考えられます。第三は若手研究者の支援です。ここ数年,大学院生をはじめとする若手研究者の入会が大変増えています。若手研究者の入会は学会の活性化にもつながります。現在はそのひとつとして財政的な補助を行なっていますが,今後は財政的な面と並行して研究支援のあり方などを検討していくことが必要です。これらの諸点は,新体制においてすでに各委員会委員長を中心に活動を開始しています。またこれ以外にも広報活動,新規企画,国際交流などを含めいろいろな改革案,活性化案を具現化できるように進めているところです。加えて現在,来年度の年次大会80回を記念して日本応用心理学会編『現代社会と応用心理学』(全7巻)を刊行できるように編集作業を進めています。学会の英知を結集したシリーズになるものと思いますのでご期待ください。

 以上,誠に僭越ではございますが理事長に就任いたしましたご挨拶に代えまして,過去・現在・未来を結ぶ本学会のあゆみと所信を申し述べさせていただきました。すべて会員の皆様にご支援を賜わらなければ一歩たりとも進むことができません。何とぞご協力くださいますよう幾重にもお願い申し上げます。

歴史と伝統を継承し さらに魅力ある学会へ

理事長 藤田 主一(ふじた しゅいち)
日本体育大学

 日本応用心理学会会員の皆様には,各方面でご活躍のこととお慶び申し上げます。日ごろより本学会活動にご協力を賜り深く感謝申し上げます。このたび皆様からのご推挙により理事長に選出されましたことは身に余る光栄に存じ,また身の引き締まる思いでございます。皆様のお力添えを賜りまして長い歴史と伝統を誇る本学会を引き継ぎ,さらなる発展を目指していきたいと思います。役員の皆様,会員の皆様には一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 さて,日本応用心理学会はわが国の心理学界のなかでは日本心理学会とともに長い歴史を刻んでいる学会です。記録によりますと,昭和初期に関西と東京で応用心理学関連の研究会が会を重ね,関西では1927(昭和2)年4月に京都帝国大学において第1回の応用心理学会が開催され,東京では1931(昭和6)年6月に東京帝国大学で第1回の応用心理学会が開催されています。1934(昭和9)年4月に京都帝国大学で第1回の合同大会,1936(昭和11)年4月に広島文理科大学で第2回連合大会が開催され,第2回大会のときにはじめて「日本応用心理学会」という名称になりました。「応用心理学会」という学会名に「日本」が冠された最初ということになります。戦時による中断を経て,終戦後の復興第1回大会が日本大学で開催されたのは1946(昭和21)年3月のことでした。本学会は何と立ち上がりが早かったことでしょう。大会は1957(昭和32)年までは年に2回開かれ,1958(昭和33)年5月の大阪大学での第25回大会から年に1回の開催になり今日に至っています。本年度2012(平成24)年9月の第79回大会は北星学園大学(濱保久大会委員長),来年度2013(平成25)年9月の第80回大会は日本体育大学で開かれます。このように,これまでの歴史を概観していますとじつに感慨深いものがあります。
 本学会は設立以来,学会の会長職を年次大会の当番機関代表者(大会委員長)が務めて参りましたが,会則の改正に伴い2003(平成15)年4月より理事長(旧会長)は常任理事の互選によって選出されることになりました。その第1代(1期,2期)理事長には岡村一成先生が就任されました。岡村理事長は新生本学会の基盤を築くために多大な貢献をされました。本学会の広報活動はもとより,機関誌『応用心理学研究』の拡充,若手会員に魅力ある組織づくり,倫理綱領の作成など,その足跡は本学会の発展に大きく寄与されました。何よりも本学会認定「応用心理士」制度を充実された功績は,本学会の活性化と対外的な地位の向上に限りなく役立つものでした。第2代(3期)理事長には森下高治先生が就任されました。森下理事長は岡村先生が取り組まれた組織力を継承しさらにその育成に力を注がれ,また種々の改革に着手されました。理事長諮問機関「応心の更なる発展を考える会」を母体に,会報誌『応用心理学のクロスロード』の刊行,ホームページ・メールニュースの新設,優秀大会発表賞の新設,東日本大震災復興支援活動など,その指導力はこれからの本学会のあり方を見通されてのものでした。両理事長のお力があればこそ,今日の本学会が確固とした存在感を示すことができたのではないかと思います。
 本学会は「応用心理学」をキーワードに学問としての理論的研究ならびに社会的実践活動を両輪とする領域から組織され,本学会会員の皆様はそれぞれに社会の中枢で活躍しています。誠に頼もしい限りです。また本学会は,アカデミックな雰囲気に加えて会員相互の親和を大切にするという伝統があります。この伝統は他学会にはあまり見られない貴重なものですから,今後とも絶やすことなく継承していきたいと思います。一方でよく「基礎と応用」という言い方をしますが,心理学における基礎と応用は決して並列関係ではなく,また基礎を修得してから応用へ進むという二層構造でもなく,両者は互いに輻輳的な関係に位置づけられるものであろうと考えます。その意味で本学会は心理学の応用領域を網羅しておりますので,年次大会での研究発表やシンポジウム・ワークショップ,また本学会主催の公開シンポジウムなどに参加していただければ,基礎心理学と応用心理学とが互いに関係し合った最先端の研究・実践内容に触れることができます。これは他学会では果たし得ない本学会ならではの魅力であろうと思います。
 ところで,これからの本学会には長い歴史と伝統を継承しながら,さらに学会の活性化を目標に種々の改革に取り組んでいくことが求められます。この場を借りてそのなかから数点を取り上げます。第一の点ですが,このところ機関誌『応用心理学研究』への投稿論文数が激増しています。会員の皆様はご自身の研究成果や実践活動の成果を発表する場として機関誌へ投稿すると思われますので,いま以上にスピーディな編集体制を確立していかなければなりません。審査システムを含め,会員の皆様のニーズに応えられる学会機関誌を目指していきたいと考えます。第二に「応用心理士」の専門性を一層高める取り組みです。現在,この資格を取得している会員は300名を超えています。「応用心理士」は,応用心理学の各領域に具体性をもつ資格として認知されなければなりません。そのため,より専門性に特化できる資格としてのあり方を検討していきます。研修会の充実などもその一端であろうと考えられます。第三は若手研究者の支援です。ここ数年,大学院生をはじめとする若手研究者の入会が大変増えています。若手研究者の入会は学会の活性化にもつながります。現在はそのひとつとして財政的な補助を行なっていますが,今後は財政的な面と並行して研究支援のあり方などを検討していくことが必要です。これらの諸点は,新体制においてすでに各委員会委員長を中心に活動を開始しています。またこれ以外にも広報活動,新規企画,国際交流などを含めいろいろな改革案,活性化案を具現化できるように進めているところです。加えて現在,来年度の年次大会80回を記念して日本応用心理学会編『現代社会と応用心理学』(全7巻)を刊行できるように編集作業を進めています。学会の英知を結集したシリーズになるものと思いますのでご期待ください。
 以上,誠に僭越ではございますが理事長に就任いたしましたご挨拶に代えまして,過去・現在・未来を結ぶ本学会のあゆみと所信を申し述べさせていただきました。すべて会員の皆様にご支援を賜わらなければ一歩たりとも進むことができません。何とぞご協力くださいますよう幾重にもお願い申し上げます。