日本応用心理学会 Rotating Header Image
Print This Page Print This Page

沿革と概要

 わが国の応用心理学的研究活動は,1920年頃には既に盛んになりつつありました。
まず関西では,1927年頃に,各種テストを検討するための研究会が生まれ,これを応用心理学会と呼んでいました(のち,関西応用心理学会となり,現在の関西心理学会の母体となる)。続いて1931年には,東京在住の心理学者が中心となり,研究者間の交流の場として応用心理学会が誕生しました。当時の模様は,以下のように述べられています(「應用心理 第一巻」1931年9月号所載)。

  第一回應用心理學會の
 『最近,在京の應用心理學關係者の間に,相互の聯絡協調懇親のために學會設立の議が起り,準備中の處,當番帝大航空心理部主催の下に六月十四日を期して華々しく第一回の會合を新裝成れる駒場帝大航空研究所會議室に開催した。參會者七十六名で盛會であつた。
 本會は,應用心理學者及實際家間の懇親研究調査上の聯絡をはかることを主たる目的としてゐるが,第一回の會合には「思想調査法」及「兒童個性調査法」の二者を主題として撰び,其他各種の問題について左記の如く,數氏より説明報告があり。之に對し會員より熱心なる質問討論があつて頗る活況を呈した。』
 

 さらに1934年以降この東西両学会は,各々の大会とは別に,隔年で合同の大会を開催するようになりました。そして,その第2回合同大会(1936)の開催期間中に,後合同大会を開く際には,その大会名として日本応用心理学会を用いるという決議がなされました。日本応用心理学会のという名称の起源はここにあります。しかし,太平洋戦争の激化に伴い,この合同大会は4回で中断を余儀なくされました。
 しかし,戦後を迎えると研究者たちは徐々に各々の研究活動を再開していきました。そして,終戦後間もない1946年3月,応用心理学会復興第一回大会が開催されました。
 本学会の現在に至る大会開催数はこの時が基点となっています。第24回大会(1957)までは,年2回行われていました。1993年には60回を数え,現在では認知,発達,教育,人格,臨床,生理,文化,職業,交通など,幅広い分野で研究報告がなされています。また,年次学会大会とは別に,時事的な問題をテーマに専門家が討論を行う公開シンポジウムが年1回,開催されています。
 本学会の機関誌は,「人間科学」「応用心理研究」を経て,現在は「応用心理学研究」として刊行されています。応用心理学研究は1978年に第1号が出され,以来年1回の発行でしたが,1997年から年2回の刊行となりました。また,本学会編集により「心理学講座」全12巻(中山書店1953―54,毎日出版文化賞を受賞)が,本学会産業心理部会の編集によって「産業心理ハンドブック」(同文館1958)が,刊行されています。
 また,1993年には,応用心理学の専門職としての資質を認められた会員に対し,「応用心理士」の資格を当学会として認定する制度が設けられました。その他の活動として,応用心理学における優れた研究活動を表彰する制度として,学会賞と学会奨励賞が設けられております。1997年にその第1回の表彰が行われ,今年度の大会では第6回の表彰が行われました。また,この大会では第1回の研修会も開かれました。
 学会は,会員による選挙で選出された理事・監事によって運営されます。理事長・常任理事は理事の互選によって選出され,年6回開催される常任理事会が,学会の諸活動の中心的な役割を果たします。現在の会員数は1,218名です(2017年5月1日現在)。