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メールニュース Vol. 153 2018年7月21日

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日本応用心理学会 メールニュース Vol. 153
2018年7月21日
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会員より公開シンポジウムの連絡がありましたので,お知らせいたします。

=【配信内容】==========================
JST-CREST公開シンポジウムを下記の通り開催いたします。
日程迫る中でのご案内となり誠に恐縮ですが,多数の皆様のご来場をお待ちしております。

JST-CREST公開シンポジウム
「個人の身体パフォーマンス」を超えて - こころとからだ/個人と集団の不可分性 -
(JST-CRESTプロジェクト:潜在アンビエント・サーフェス情報の解読と活用による知的情報処理システムの構築)

日時:2018年7月22日(日)13時00分 ~ 18時00分
場所:東京大学駒場キャンパス 21 COMCEE
   https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_55_j.html
   https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/campus-guide/map02_02.html

13:00-13:10 渡邊克巳:代表挨拶:研究全体の紹介と趣旨説明
13:10-14:10 柏野牧夫(NTTコミュニケーション基礎科学研究所)x西薗良太(自転車競技)
「ICT×脳科学からみたトップアスリートの条件」
14:10-15:10 中澤公孝(東京大学) x 箱山愛香(シンクロナイズドスイミング)
「パフォーマンスと選手間,コーチ,観客との共感」
14:30-14:40 休憩
15:10-16:10 南澤孝太(慶応大学:身体性メディア) x 渡邊克巳(早稲田大学)
「身体的経験の共有・創造・拡張する身体性メディア」
16:10-17:10 下條信輔(カリフォルニア工科大学) x 為末大(陸上)
「フロー vs. チョーク:自己と他者」
17:10-17:20 休憩
17:20-17:50 フロアを加えた全体でのディスカッション

【概要】
 JST-CRESTプロジェクト「潜在アンビエント・サーフェス情報の解読と活用による知的情報処理システムの構築」(研究代表:渡邊克巳)では,人間や情報システムの表層にありながら気づかれていない情報を「潜在アンビエント・サーフェス(IAS)情報」と定義し,その科学的解明と活用を目指した研究開発を行います。無自覚的な身体動作や自律神経応答などを,自然な活動を邪魔することなく計測・解読する技術を開発し,科学的知見の蓄積と理論化とともに,ポーツ等の現場における,人間と機械の創造的協働を通じた個人や集団の活動の質の向上を目指した研究を進めています。
 スポーツにおけるパフォーマンスに影響を与えるIAS情報を解読し,選手たちの身体・精神状態を見える化(あるいは聞こえる化)するために,IAS情報の解読に必要な信号の計測に向けた大規模フィールドの構築,野球の実戦の場における心拍・筋電および加速度信号の継続的計測と精神状態の解釈,生体信号以外の動作および野球投手の投球分布などの記録・解析,情動の末梢生理指標と脳波の同時計測のセットアップ,フロー状態を再現しやすい実験環境の構築,音フィードバックによる動作及び感情調整の知見の蓄積などを進め,このような現場での実装に向けたノウハウの知見と科学的知見の蓄積の両輪を回すことにより,(1)スポーツの実戦中の精神状態の見える化,(2)情報の聞こえる化と音フィードバックによる行動や精神状態の調整,(3)実験室環境において極度の集中と快状態を引き起こすフロー状態の検出などを可能にする技術を実現し,IAS情報を個人レベルにおいて解読・活用する可能性を示してきました。
 本シンポジウムでは,個人レベルにおけるIAS情報の安定した解読と調整という今までの成果を紹介するとともに,スポーツという体験共有場における2者間以上のIAS情報のインタラクションとパフォーマンスとの関係を明らかにすることを目指す研究や感覚フィードバックを活用する方法に向けた議論を,研究者と現場のアスリート/パフォーマーの対話などによって行います。また,スポーツ以外の現場(エンタテイメント・教育・学習など)に展開するための方向性や,倫理的・法的・社会的問題(IAS情報)の活用におけるELSIに関する議論も行いたいと考えています。
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潜在アンビエント・サーフェス情報の解読と活用による知的情報処理システムの構築
(研究代表:渡邊克巳)
人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システムの構築
(研究総括:萩田紀博)