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メールニュース Vol. 3 2011年11月18日

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日本応用心理学会 メールニュース Vol. 3
2011年11月18日
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日本応用心理学会会員各位

(お知らせ)
日本応用心理学会東日本大震災の実践,
調査教育研究活動に対する助成金の採択結果について

『日本応用心理学会東日本大震災研究助成』に関して11月12日に開催の常任理事会は,審査委員会の答申を経て3件の申請に対して助成をすることになりました。

I.申請者:藤森 立男 氏(横浜国立大学)他11名
研究課題No.01
 被災児童の心のケアに関する実践活動  

採択理由:被災児童の心のケアに関する視点は的確であり,これまでの実践を踏まえた今回の申請は適切なものと考えられる。本取り組みの実践活動は意欲的で他地域等への広がりと,今後の継続が期待される。特に申請者らは,福島県会津若松市内の避難所に避難している児童を対象に放課後の様子を観察して,課外活動として陶芸やお菓子作りなどの活動を行った。友だち同士のつながりを活かした遊びが少なくなっていることから,児童らへの心理的支援の必要性を感じ,支援活動を計画し実施に移している。また成果は,アンケート調査などによって評価し,活動の改善に活かしていることも貴重な特色であり,今後の展開が期待される。
助成金額 150,000円

I.申請者:村上 裕子 氏(東京海上日動火災メデイカルサービス(株))他4名
研究課題 No.02
 福島県相馬市における,人やコミュニテイのつながりを回復する心理社会的支援

採択理由:避難所,仮設住宅等を中心としたコミュニティの繋がりを視点とした取り組みは高く評価でき,またその手法は自然で,被災者の自主性を尊重するものである。実践的でかつ理論的な検討も期待したい。申請者らは,福島県相馬市内の避難所に避難している被災者を対象として,カフェの開設とリラクセーション体操などを試み,意欲的に取り組み実績をあげている。また,他の団体とも連携して,避難所で開催の支援活動の諸イベントにも協力し,多彩な活動を通じて被災者の声を実際に聴いて受けとめ,メンタルケアの観点からも貴重な取り組みとなっている。今後の支援計画として,11月以降に仮設住宅地域での「芋煮会」などを企画し,避難者への継続的な支援活動が準備されている。
助成金額 100,000円

I.申請者:田中 真介 氏(京都大学)他1名
研究課題 No.03
 「京都の家」プロジェクトによる震災支援活動

採択理由:支援プロジェクトの構想,支援活動の実際ともユニークで評価できる。本取り組みを理論的に整理し,今後のさまざまな実践に活用できるようになることが出来ればと考える。また,申請者らは,被災者が避難のための住居を最も切実に求めていることを知り,そのニーズをよくとらえた支援活動を丁寧に計画し,意欲的に実践している。支援活動プログラムの特色:ホームページの作成と発信機能を活かして,自分たちの住居支援活動をひとつの貴重な「モデル」活動として広く発信し,同様の取り組みが他の都道府県でも実践できるよう考慮されている。住む場所を提供する,という支援だけでなく,応用心理学の視点から,新たな居住地で温かい人間関係を構築していくことができるような支援が試みられている。生きることに焦点をあてた実践活動は,新たな居住地での対ひととの関係づくりが今後期待される。
助成金額 100,000円

  1. 原資を寄付金も含め助成金の総額を35万円としました。
  2. 第78回大会(信州大学)及び11月12日に開催の公開シンポジウム(ワンコイン募金)開催時にご寄付を戴いた募金は,多くの皆様のご協力により8万円に達しました。寄付を戴きました皆様にこの場をお借りし厚く御礼申し上げます。
  3. 今回の学会企画の経緯を勘案し,助成金に加えたことをご報告致しますとともに応募テーマの規模等に応じて配分致しました。
  4. 助成を受けた代表者は,2012年度に発行の「応用心理学のクロスロード」5号か機関誌『応用心理学研究』に活動,研究成果を掲載するものと致します。
  5. 日本応用心理学会は,本助成に対しては個人・グループへ助成金を差し上げることが目的ではなく,あくまで学会活動の一環であることを申し添えます。
2011年11月12日
日本応用心理学会 
理事長 森下 高治